AI概要
【事案の概要】 フリーランスのジャーナリストである原告が、ツイッター上での被告らの投稿により名誉を毀損されたとして損害賠償等を求めた事案である。被告Aは漫画家であり、原告が性被害を訴えた事件(別件訴訟)に関連して、原告が枕営業を行ったにもかかわらず性被害を主張しているとの内容のツイートやイラスト(本件ツイート1〜5、本件各イラスト)を約10か月間にわたり複数回投稿した。被告B及び被告Cは、被告Aの上記投稿をそれぞれコメントを付さずにリツイートした。原告は、被告Aに対し550万円の損害賠償及び謝罪広告の掲載を、被告B及び被告Cに対し各110万円の損害賠償を請求した。 【争点】 (1) 被告Aの各ツイートにおける事実の摘示及び原告の社会的評価の低下・名誉感情の侵害の有無、(2) 違法性阻却事由(公共性・公益目的・真実相当性)の有無、(3) 損害額、(4) 謝罪広告掲載の当否、(5) 被告B及び被告Cの各リツイートによる名誉毀損の成否及び損害額。特に、風刺イラストにおける原告との同定可能性、コメントなしリツイートの法的評価が主要な争点となった。 【判旨】 一部認容。裁判所は、本件ツイート1については、精神疾患の摘示のみでは社会的評価の低下に至らないとして名誉毀損を否定した。しかし、本件ツイート2〜5については、原告が枕営業を行い性被害の主張が虚偽であるとの事実を摘示するものであり、原告の社会的評価を低下させ名誉感情を侵害すると認定した。イラストが風刺漫画であることのみをもって意見・論評とはいえないとし、また、被告Aには摘示事実を真実と信じるにつき相当の理由がなく違法性は阻却されないと判断した。コメントなしリツイートについては、特段の事情のない限り元ツイートへの賛同の意思を示す表現行為と解するのが相当とし、被告B及び被告Cのリツイートについても不法行為の成立を認めた。損害額は、被告Aに対し88万円(慰謝料80万円+弁護士費用8万円)、被告B及び被告Cに対し各11万円(慰謝料10万円+弁護士費用1万円)とし、謝罪広告の請求は棄却した。