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知財

特許権侵害差止請求事件

判決データ

事件番号
令和2ワ19917
事件名
特許権侵害差止請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2021年11月30日
裁判官
田中孝一鈴木美智子稲垣雄大

AI概要

【事案の概要】 本件は、発明の名称を「イソブチルGABAまたはその誘導体を含有する鎮痛剤」とする特許権(特許第3693258号)を有する原告(ワーナー・ランバート社、米国法人。日本ではファイザー社が専用実施権者として神経障害性疼痛等の治療薬「リリカ」を販売)が、被告(沢井製薬株式会社)に対し、被告が製造販売承認を取得したプレガバリンを有効成分とする後発医薬品(プレガバリンカプセル・OD錠「サワイ」、効能・効果を「神経障害性疼痛、線維筋痛症に伴う疼痛」とするもの)の製造、販売又は販売の申出が上記特許権を侵害すると主張して、特許法100条1項及び2項に基づき、被告医薬品の製造・販売等の差止め及び廃棄を求めた事案である。原告の特許(本件発明1及び2)は、本件化合物を「痛みの処置における鎮痛剤」とするものであり、被告医薬品がその技術的範囲に属することは争いがなかった。もっとも、被告は特許無効の抗弁を主張し、これに対し原告は訂正の再抗弁を主張した。また、原告は、無効審判で有効とされた本件訂正発明3及び4(処置対象を炎症性疼痛・術後疼痛に限定)についても、被告医薬品がその技術的範囲に属すると主張した。 【争点】 (1) 本件発明1及び2に係る特許に実施可能要件違反・サポート要件違反があるか(争点1) (2) 訂正の再抗弁の当否(訂正事項が新規事項の追加に当たるか等)(争点2) (3) 被告医薬品が本件訂正発明3及び4の技術的範囲に属するか(文言侵害・均等侵害)(争点3) (4) 本件訂正発明3及び4に係る特許に無効理由があるか(争点4) (5) 延長登録後の効力が被告医薬品に及ぶか(争点5) 【判旨】 請求棄却。裁判所は、まず本件発明1及び2について、特許請求の範囲の「痛みの処置における鎮痛剤」の「痛み」にはあらゆる痛みが含まれると認定した上で、本件出願日当時の技術常識として、痛みは侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、心因性疼痛に大別され、それぞれ治療法が異なると理解されていたと認定した。本件明細書に記載された薬理試験(ホルマリン試験、カラゲニン試験、術後疼痛試験)はいずれも侵害受容性疼痛に分類される炎症性疼痛に対する鎮痛効果を測定するものであり、当業者がこれらの記載から神経障害性疼痛又は心因性疼痛に対する鎮痛効果を理解することはできないとして、実施可能要件違反を認めた。原告が主張する技術常識(慢性疼痛は全て神経細胞の感作により生じ、感作を抑制すれば原因を問わず治療できること)については、提出された各文献を検討しても十分裏付けられていないと判断した。訂正の再抗弁についても、訂正事項1及び2は神経障害性疼痛等に対する鎮痛効果という新たな技術的事項を導入するものであり、新規事項の追加に当たるとして排斥した。本件訂正発明3及び4については、構成要件3B・4Bの「炎症を原因とする痛み」等は侵害受容性疼痛を意味し、被告医薬品の効能・効果である「神経障害性疼痛及び線維筋痛症に伴う疼痛」は神経障害性疼痛又は心因性疼痛であるから、文言侵害は成立しないとした。均等侵害についても、医薬用途発明において侵害受容性疼痛に分類される痛みに係る用途に用いる点が本件訂正発明3及び4の本質的部分であり、被告医薬品はこの本質的部分を置換するものであるから、均等の第1要件を充足しないと判断した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。