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下級裁

現住建造物等放火,詐欺未遂被告事件

判決データ

事件番号
令和3わ66
事件名
現住建造物等放火,詐欺未遂被告事件
裁判所
札幌地方裁判所
裁判年月日
2021年12月6日
裁判官
中川正隆牛島武人豊富育

AI概要

【事案の概要】 生活保護を受給していた被告人は、携帯電話料金の滞納に伴い経済的に困窮していたところ、火災保険金を得る目的で自宅に放火することを企てた。令和2年8月17日、被告人は火災保険に関する情報をインターネットで検索した上、同日午後4時31分頃、札幌市内の集合住宅(木・鉄筋コンクリート造3階建、9世帯入居)にある自宅1階に灯油をまいて放火し、建物の一部(約0.7平方メートル)を焼損した(現住建造物等放火)。被告人は放火直後に外出してウォーキングを装い、火災保険の証券番号を携帯電話にメモするなどした後、保険会社に対し、出火原因が不明であるかのように装って526点の損害品明細書を含む保険金請求書を郵送したが、保険会社が出火原因に不審を抱いて支払に応じなかったため、詐欺は未遂に終わった。 【争点】 本件では、(1)被告人が放火行為をしたか(犯人性)、(2)被告人が自らの放火を認識して保険金を請求したか(詐欺の故意)、(3)放火行為時の責任能力の程度、の3点が争われた。犯人性について、弁護側は被告人の犯行を否認したが、裁判所は、被告人方から灯油が検出され自然発火の痕跡がないこと、火災報知器鳴動直前まで被告人が在室していたこと、第三者侵入の証拠がないことから、被告人以外に放火できた人物はいないと認定した。詐欺の故意について、弁護側は、被告人が睡眠薬の多量服用による記憶欠落や解離性健忘により放火の記憶を保持していなかった可能性を主張した。しかし裁判所は、精神鑑定を行ったC医師の所見に基づき、仮に軽度の睡眠薬中毒があったとしても数時間にわたる一連の行動の記憶がすべて抜け落ちることは考えにくいこと、解離性健忘により理にかなった一連の行動の記憶が欠落する可能性は極めて低いことを指摘し、被告人が放火を認識しながら保険金を請求したと認定した。責任能力については、放火時に存在し得た精神障害は軽度の睡眠薬中毒に限られ、動機形成への影響はなく、行動を後押しした程度にとどまるとして、完全責任能力を認めた。 【判旨(量刑)】 裁判所は、保険金目的で燃料を使用して現に人が住む集合住宅に放火した行為自体が現住建造物等放火罪の中で重い責任を負うべきものであること、住宅密集地の集合住宅であり多数の住民の生命・身体・財産を危険にさらしたこと、約2300万円の財産的被害が生じたこと、火災保険の検索から放火・偽装工作・保険金請求に至るまで明確かつ強い意思をもって一連の犯行に及んだことを重視し、単独犯による燃料使用の保険金目的現住建造物等放火の事案の中でも重いものと位置づけ、求刑どおり懲役8年を言い渡した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。