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下級裁

仮処分命令認可決定に対する保全抗告事件

判決データ

事件番号
令和3ラ1327
事件名
仮処分命令認可決定に対する保全抗告事件
裁判所
大阪高等裁判所
裁判年月日
2021年12月7日
裁判種別・結果
破棄自判
裁判官
植屋伸一髙松宏之大河三奈子
原審裁判所
神戸地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 抗告人(エイチ・ツー・オー リテイリング)は、子会社であるイズミヤ及び阪急オアシスとの間で株式交換を計画し、令和3年10月29日に開催された臨時株主総会(本件総会)において、株式交換契約の承認決議を行った。抗告人の株主である相手方は、本件決議には決議方法の法令違反かつ著しい不公正という取消事由(会社法831条1項1号)があり、株主が不利益を受けるおそれがあると主張して、株式交換の仮の差止めを求めた。神戸地方裁判所は相手方の申立てを認容する仮処分決定を発し、保全異議でもこれを認可したため、抗告人が保全抗告を申し立てた。 問題の核心は、本件総会における特定の法人株主(本件株主)の議決権行使の取扱いにあった。本件株主は事前に全議案賛成の委任状及び議決権行使書を提出していたが、代表取締役副社長Bが本件総会に出席し、マークシート方式の投票用紙に何も記入せず白紙のまま提出した。白紙投票は棄権扱いとなるところ、本件株主の議決権を賛成として扱わなければ議案の可決要件を満たさず、棄権として扱えば否決となる僅差の状況であった。 【争点】 事前に委任状を提出した株主が総会に出席し白紙の投票用紙を提出した場合に、議長が投票用紙以外の事情を考慮して当該株主の投票を賛成として取り扱うことが許されるか。 【判旨】 大阪高裁は、原決定を取り消し、仮処分決定も取り消した上で、相手方の申立てを却下した。 裁判所はまず、投票用紙による投票制度の趣旨について、株主意思を正確に反映しつつ恣意的操作を防止して議決の公正を確保することにあるとし、各株主の投票内容は投票用紙の記載により客観的に判定することが第一義的に求められるとした。しかしながら、投票ルールの周知や説明がされておらず、株主がこれを誤認したことがやむを得ないと認められる場合であって、投票用紙以外の事情を考慮することにより投票時の株主の意思が投票用紙と異なっていたことが明確に認められ、恣意的な取扱いとなるおそれがない場合には、議長において投票用紙以外の事情も考慮して株主の投票内容を把握することも許容されると判示した。 本件では、事前に議決権を行使した株主が総会に出席した場合に事前行使が撤回されることについて、招集通知でも受付でも議場でも説明がなされておらず、Bがこれを誤認したことはやむを得なかったこと、Bは投票回収時に係員に事前行使済みである旨を伝え受付番号を指し示す行動をとっており、その状況は映像記録や係員の供述で明確に裏付けられていること、休憩中にBが自発的に受付を訪れて事情を説明したこと等の事情から、Bの投票時の意思が賛成であったことは明確に認められ、議長がこれを賛成として取り扱ったことは正当であると結論付けた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。