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不当利得返還請求事件

判決データ

事件番号
令和2ワ2426
事件名
不当利得返還請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2021年12月8日

AI概要

【事案の概要】 本件は、ホンダの二輪世界選手権への再挑戦を取材して書籍「いつか勝てる ホンダが二輪の世界チャンピオンに復帰した日」(1988年刊行)を執筆した翻訳家・フリーライターの原告が、本田技研工業株式会社(被告)に対し、被告が1999年に発行した創業50周年社史「語り継ぎたいこと チャレンジの50年」のうち「二輪世界GP参戦 再び世界の頂点を目指して」と題する8頁の部分(本件社史部分)は、原告書籍を無断で翻案したものであるとして、不当利得返還請求権に基づき、翻案許諾の対価相当額200万円及び遅延損害金の支払を求めた事案である。 原告は、ホンダ・レーシングのコーディネーター・通訳として長年活動する中で、ホンダが1979年から二輪世界選手権500ccクラスに再挑戦し、楕円ピストンエンジンの開発に成功して1982年に再び世界GPで優勝するまでの過程を関係者への取材に基づいて執筆していた。原告は、被告の社史編纂委員会が原告書籍に依拠して本件社史部分を作成したと主張し、全20箇所の記述対比表を提出して表現の同一性と依拠性を立証しようとした。 【争点】 主な争点は、(1)本件社史部分が原告書籍の翻案に該当するか(翻案該当性)、(2)被告の不当利得の有無及び利得額であった。原告は、原告書籍と本件社史部分の間に表現の同一性及び依拠性が認められると主張したのに対し、被告は、両者で共通するのは事実のみであり、具体的な表現において同一性はなく、社史編纂委員会は独自に取材を行ったと反論した。 【判旨】 裁判所は、言語の著作物の翻案(著作権法27条)とは、既存の著作物に依拠し、その表現上の本質的な特徴の同一性を維持しつつ具体的表現に修正等を加えて新たに創作的表現をすることをいい、思想・感情やアイデア、事実など表現それ自体でない部分又は表現上の創作性がない部分で同一性を有するにすぎない場合は翻案に当たらないとの判断基準(最判平成13年6月28日・江差追分事件)を示した。 そのうえで、原告が対比した番号1から番号20までの各記述を逐一検討し、いずれについても、共通するのはホンダの二輪世界選手権再挑戦にまつわる「事実」であって表現それ自体でない部分での同一性にとどまること、具体的な描写の手法・言い回し・詳細さの程度が異なり表現それ自体での同一性は認められないことを認定した。唯一「ペラペラ」という共通表現が見られた番号8の記述についても、薄くて剛性が低いものを指す際に「ペラペラ」と表現することはありふれた表現であり、創作性は認められないと判断した。 以上より、本件社史部分は原告書籍と創作的表現において同一性を有しないため、依拠性を検討するまでもなく翻案には該当しないとして、原告の請求を棄却した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。