各法人税法違反,地方法人税法違反,消費税法違反,地方税法違反
判決データ
- 事件番号
- 令和3特わ1495
- 事件名
- 各法人税法違反,地方法人税法違反,消費税法違反,地方税法違反
- 裁判所
- 東京地方裁判所
- 裁判年月日
- 2021年12月10日
- 裁判官
- 田中昭行
AI概要
【事案の概要】 アニメーション映像の企画・制作等の事業を営む被告会社(有限会社)は、アニメ作品とのコラボレーション企画やグッズ販売等を行う複数の飲食店も運営していた。被告会社の代表取締役である被告人は、平成27年8月期、平成29年8月期及び平成30年8月期の3事業年度にわたり、売上高の一部を除外するなどの方法により所得を秘匿し、法人税・地方法人税合計約1億900万円、消費税・地方消費税合計約2800万円を免れた(合計約1億3700万円のほ脱)。秘匿された所得の総額は合計約4億4100万円に上る。主たる脱税の手口は、飲食店における現金売上に係る帳簿の記載を削除し、当該現金を自宅に保管するというものであった。また、テレビ放映されたアニメ作品の売上を翌期に繰延計上する手口も用いられた。被告人は、会計を担当していた妻が帳簿の改ざんに消極的な姿勢を示していたにもかかわらず、執拗にその指示をするなどしており、脱税の意図は強かった。 【判旨(量刑)】 裁判所は、脱税規模が同種事案と比較して小さいものではないと指摘した。売上除外の手口自体はPOSレジシステムの記録を精査すれば容易に判明するもので特に巧妙とまではいえないが、被告人が妻に帳簿改ざんを執拗に指示していた点から脱税の意図の強さを認定した。アニメ作品の売上繰延計上についても、翌期に同様の売上除外を行い結局税金の支払を免れている点で、売上除外と同等の悪質性があると評価した。動機について、被告人はアニメ業界のコスト増大や将来の経営悪化への備えを供述したが、裁判所は、被告会社が品質の高いアニメ作品の評価を背景に平成24年以降大幅な黒字が続いていたことを指摘し、それにもかかわらず継続して売上除外を繰り返した経緯に酌むべき事情はないとして、経営者として強い非難を免れないと判断した。他方、被告人が税務調査後にほどなく事実を認めて捜査に積極的に協力したこと、本税・延滞税・加算税の納付を済ませていること、前科前歴がないこと、専門家による税務処理の助言・支援体制を整えたこと等を考慮し、被告会社を罰金3000万円(求刑4000万円)、被告人を懲役1年8月・執行猶予3年(求刑懲役1年8月)に処した。