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下級裁

殺人

判決データ

事件番号
令和2わ1065
事件名
殺人
裁判所
京都地方裁判所
裁判年月日
2021年12月13日

AI概要

【事案の概要】 被告人は、重度の知的障害を有する実子(当時17歳)を一人で介護しながら養育していた母親である。実子は幼少期にウイルス性脳炎を発症し、てんかん・重症の高次脳機能障害の後遺症が固定化しており、排便処理や入浴に介助を要するほか、物を口に入れたり車道に飛び出すなどの衝動的行動があり、常に誰かが目をかける必要があった。被告人自身も強迫性障害を長年患い、令和2年5月頃からうつ病の症状が増悪していた。 被告人は、実子の卒業後の進路を模索していたが、令和2年7月に入り、紹介された就労支援施設は送迎がなく通所を断念せざるを得ず、担任教師との面談でも有益な情報は得られなかった。犯行当日にも別の施設を見学したが実子には不向きと判明し、さらに落胆を重ねた。帰宅後も携帯電話で施設を検索したが見つからず、希死念慮を抱いてノートに遺書を作成した。夕方帰宅した実子が衣類を引き裂き被告人を投げ飛ばそうとする粗暴行為に及んだ後、被告人は将来に絶望して自殺を決意し、自分が死ぬと実子の世話をする人がいなくなると考えて無理心中を決意した。被告人は、実子に催眠剤を飲ませて就寝させた上、ベルト様のもので頸部を絞め、窒息死させた。 【争点】 本件の争点は被告人の責任能力の有無・程度である。検察官は、犯行には正常な精神作用に基づく判断による部分もあり心神耗弱にとどまると主張した。弁護人は、うつ病の圧倒的な影響により犯行を思いとどまる能力は失われていたとして心神喪失(無罪)を主張した。 裁判所は、精神鑑定を実施した精神科医の証言に基づき、被告人が犯行当時うつ病(中等症)及び強迫性障害(中等症)を患っていたと認定した。その上で、(1)被告人の絶望感は妄想によるものではなく、介護疲弊・進路問題という現実の問題に起因していたこと、(2)遺書には逡巡や関係者への配慮が記載され相応の思考力が残っていたこと、(3)催眠剤投与は実子を苦しませたくないという正常な心理の表れであること、(4)犯行後も冷静な判断能力や愛情表現が認められたこと等を総合し、犯行を思いとどまる能力は著しく低下していたものの完全に失われてはいなかったと判断し、心神喪失を否定して心神耗弱と認定した。 【判旨(量刑)】 裁判所は、計画性はないものの確実に死に至らしめる方法を選択した犯行意欲の高さ、17歳という若い被害者の命が失われた結果の重大性を指摘した。他方で、重い障害のある実子の介護に疲弊し、受入れ施設が見つからないなど精神障害のない人でも絶望感を抱きかねない状況下で、うつ病が増悪した中での心神耗弱状態での犯行であり、動機の形成過程には同情の余地が大きいとした。同種事案(殺人・単独犯・被害者は子・動機は心中又は介護疲れ・心神耗弱)の中では中程度ないし軽い部類に属するとし、被告人が反省の態度を示していること、母や兄らによる監督の約束、友人らの支えがあること等も考慮し、懲役3年・執行猶予5年を言い渡した(求刑懲役5年)。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。