東京都都市計画道路事業補助線街路第73号線事業認可取消請求事件
判決データ
- 事件番号
- 平成29行ウ357
- 事件名
- 東京都都市計画道路事業補助線街路第73号線事業認可取消請求事件
- 裁判所
- 東京地方裁判所
- 裁判年月日
- 2021年12月13日
- 裁判官
- 横井靖世、瀬智彦
AI概要
【事案の概要】 国土交通省関東地方整備局長は、都市計画法59条2項に基づき、平成27年2月4日付けで、東京都(参加人)を施行者として、東京都北区内における都市計画道路補助線街路第73号線の2区間(幅員20〜30m、延長合計約895m)について事業認可をした。この道路計画は、昭和21年の戦災復興都市計画街路として決定され、昭和39年及び平成15年に都市計画変更決定を経たものである。事業地内やその周辺に居住・勤務等する原告ら約120名が、事業認可の取消しを求めて提訴した。原告らの一部は審査請求を経ていなかった。 【争点】 (1) 訴えの適法性(出訴期間の遵守、原告適格の有無) (2) 昭和21年決定等の手続上の違法性(主務大臣の決定の有無、内閣の認可の要否、関係図書の縦覧の欠如)が平成15年決定を違法とするか (3) 事業認可の実体上の違法性(事業の必要性・合理性の喪失、施行期間の不適切さ) 【判旨】 裁判所は、以下のとおり判断し、訴えの一部を却下、その余の請求を棄却した。 出訴期間について、審査請求をしていない原告らの訴えは、事業認可から1年以上経過後の提起であり、行政事件訴訟法14条1項の出訴期間を徒過しているとして不適法とした。原告らが主張する「一般市民は不服申立手段を知り得ない」との事情は「正当な理由」に当たらないと判断した。 原告適格について、事業地内に不動産の権利を有する者及び事業地内に居住する者は、事業認可の法的効果により権利の制限を受ける者として原告適格を認めた。事業地周辺の住民については、最高裁平成17年大法廷判決を踏まえ、道路の構造・規模等を考慮し、事業地からおおむね30m以内に居住する者に限り、大気汚染・騒音・振動等による著しい被害を直接的に受けるおそれがあるとして原告適格を認めた。商店街利用者としての利益は個別的利益として保護されていないとした。 手続上の違法性について、昭和21年決定は戦災復興院総裁が内閣総理大臣の代決権限に基づき行ったものであり主務大臣の決定といえること、臨時措置法に基づく臨時特例により内閣の認可は不要であったこと、関係図書の縦覧義務規定は昭和42年改正で追加されたもので昭和21年当時は存在しなかったことを指摘し、いずれの主張も退けた。 実体上の違法性について、本件各道路には一定の防災効果(延焼遮断帯としての機能)及び交通処理機能があり、事業の必要性・合理性がおよそ失われて都市計画を変更すべきことが明白であったとはいえないとし、原告らの請求をいずれも棄却した。