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下級裁

損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
平成30ワ1465
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
さいたま地方裁判所
裁判年月日
2021年12月15日
裁判官
岡部純子加藤靖藤田陽平

AI概要

【事案の概要】 本件は、川口市立中学校に在籍していた原告(ADHD の診断歴あり)が、サッカー部内でいじめを受けたことについて、同中学校の教諭ら及び川口市教育委員会がいじめ防止義務や不登校解消義務等の職務上の義務に違反したと主張して、川口市に対し、国家賠償法1条1項に基づき慰謝料等合計550万円の支払を求めた事案である。原告は平成27年4月に入学後サッカー部に入部したが、LINEグループからの排除、練習中に部員から襟首をつかまれ引き倒される暴行、映画の約束の反故など複数のいじめを受けた。2年生以降、原告は4度にわたる不登校(合計約9か月)に陥り、自傷行為(リストカット)にも及んだ。原告母が繰り返しいじめの調査・対応を求めたにもかかわらず、学校側はいじめを認めず、県教委や文科省から重大事態として対応するよう指導を受けながらも、約4か月にわたり重大事態の調査を開始しなかった。さらに、元プロサッカー選手の顧問教諭が原告に体罰(頭部殴打・耳引っ張り)を加えたほか、保護者会で「原告の方が蹴った」「いじめはなかった」等の発言がなされ、事態は長期化・複雑化した。インターネット掲示板での誹謗中傷も加わり、原告は卒業式にも出席できなかった。 【争点】 ①中学校教諭らの職務行為の違法性(いじめ防止義務、調査義務、重大事態対応義務、不登校解消義務等の違反の有無)、②川口市教育委員会の職務行為の違法性(重大事態の調査義務違反、学校への指導助言義務違反の有無)、③損害額。 【判旨】 裁判所は、原告の請求を55万円の限度で一部認容した。まず、顧問教諭がノートの空白を注意する際に原告の頭を拳で叩き耳を引っ張った行為について、打撃音が周囲に聞こえる程度の有形力の行使であり、指導方法として必要性・相当性を欠くとして違法な体罰と認定した。次に、教諭らの重大事態対応について、遅くとも欠席日数が30日に達した平成28年10月24日以降、重大事態の発生を認識し、網羅的な調査を行った上で適切な措置を講ずべき義務を負っていたにもかかわらず、個別に部員から事情を聴くにとどまり、重大事態としての調査を行わなかったことは義務違反であると判断した。また、校長らがサッカー部保護者会で「原告が部員を蹴った」「小競り合いであり、いじめではない」と発言したことや、教頭が「いじめはなかった」と保護者に伝えたことについて、十分な根拠なく原告の訴えを否定する発言であり、部員らの原告に対する不信・反感を強め、登校の障害となることが容易に予見できたとして、職務上の義務違反を認めた。市教委についても、重大事態の発生を認知すべきであったのに調査を怠り、学校への指導も行わなかった点で義務違反を認定した。損害額については、これらの義務違反が問題の長期化・複雑化の主要な原因の一つであるとしつつ、慰謝料50万円及び弁護士費用5万円の合計55万円を認容した(請求額の10分の1)。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。