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下級裁

損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
平成30ワ3567
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
京都地方裁判所
裁判年月日
2021年12月15日
裁判官
池田知子児玉禎治荻原惇

AI概要

【事案の概要】 被告が設置する立命館大学の甲学部准教授であった原告が、教授への昇任審査に係る教授会において、同学部のA教授及びB准教授がした各発言はハラスメントに当たり原告の名誉等を毀損する不法行為であると主張し、また、議長であったC学部長が原告に不利益な発言がなされたのに弁明の機会を与えずに議決したことは裁量権の逸脱・濫用に当たる不法行為であると主張し、さらに、ハラスメント防止委員会により上記各発言がハラスメントに該当すると認定されたにもかかわらず被告が再審議等の適切な救済措置を採らなかったことは雇用契約上の配慮義務違反であるなどと主張して、被告に対し、使用者責任又は債務不履行に基づき、損害賠償金7000万円等の支払を求めた事案である。 原告は、博士号の取得時期に関する履歴書の記載について、平成23年と記載していたが実際の学位授与は平成26年9月(award)、平成27年1月(conferral)であったことから、前年度の昇任審査が見送られ、懲戒審査の対象ともなったが懲戒処分は下されなかった。その後平成27年の教授会で改めて昇任審査が行われた際、B准教授が原告のパワーハラスメントや協調性に関する発言を、A教授が博士号取得時期の齟齬と懲戒審査の事実に言及する発言をそれぞれ行い、投票の結果、可12票・否15票・白票9票で昇任は否決された。 【争点】 (1) B准教授の発言による不法行為の成否 (2) A教授の発言による不法行為の成否(プライバシー侵害・名誉毀損) (3) C学部長の議事進行に係る不法行為の成否 (4) 救済措置を採らなかった被告の不作為の違法性 (5) 原告の教授昇任に対する期待権侵害の有無 (6) 損害額及び因果関係 【判旨】 裁判所は、教授への昇任審査の教授会においては、候補者の適格性について教授会構成員間で十分な情報共有と自由な議論がなされることが必要であり、反対意見や不適格を示す情報提供が直ちに違法とはならないとの一般論を示した上で、各争点について以下のとおり判断した。 B准教授の発言については、適切とは言い難い部分はあるものの、教授会における人事議論の守秘性から公然性(第三者への伝播可能性)がなく名誉毀損は成立せず、また発言目的・内容等を総合考慮しても不法行為を構成するほどの違法性はないとした。 A教授の発言については、名誉毀損は公然性の欠如から否定したが、原告が懲戒審査の対象となった事実はプライバシーに属する情報であり、懲戒処分が下されなかった事案について公表は予定されていないこと、原告が教授会での報告を希望しない旨伝えていたこと、A教授がC学部長の不言及方針を認識していたことなどを踏まえ、公表されない法的利益が公表する理由に優越するとして、プライバシー侵害による不法行為の成立を認めた。 C学部長の議事進行については、A教授の発言に対しE教授から反論がなされて議論が一応収束し、更なる調査を求める声もない中で議決に移ったことから、弁明の機会を付与しなかったとしても裁量の範囲内であるとした。救済措置に関する被告の不作為及び期待権侵害の主張もいずれも退けた。 損害については、逸失利益等は因果関係が認められないとし、プライバシー侵害による慰謝料50万円及び弁護士費用5万円の合計55万円の限度で請求を認容した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。