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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
令和3行ケ10060
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2021年12月20日
裁判官
菅野雅之本吉弘行中村恭

AI概要

【事案の概要】 本件は、原告(株式会社三菱UFJ銀行)が、名称を「システムおよび処理方法」とする発明について特許出願をしたところ拒絶査定を受け、拒絶査定不服審判においても請求不成立の審決がされたため、その取消しを求めた審決取消訴訟である。本件出願に係る発明は、ブロックチェーンネットワークにトランザクションのリクエストを送信するための技術に関するもので、分散型台帳技術において多くのトランザクションを効率的に処理することを目的としている。具体的には、台帳を分散して記録する複数のノードに対しトランザクションのリクエストを送信する複数のプロセスを生成する生成部と、トランザクションの指示を受け付けてプロセスにリクエスト送信を割り当てる割当部を備えるシステムである。審決は、本件補正発明が引用文献(ブロックチェーン基盤Hyperledger Fabricの性能評価に関する論文)に記載の発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明できたものであると判断した。 【争点】 主たる争点は、本件補正発明と引用発明との相違点3(生成部が「設定されるプロセス多重度に応じた」複数のプロセスを生成する点)の容易想到性の有無である。原告は、引用文献1の「リクエストの流量制御」はスレッド数の制限を示唆するものではなく、仮にスレッド数の制限が示唆されるとしても、マルチスレッドからマルチプロセスへの置換に際してプロセス多重度の制限までは動機付けられないと主張した。被告は、引用文献1にはスレッド数を制限する示唆があり、マルチスレッドとマルチプロセスは周知技術として相互に置換可能であるから容易想到であると主張した。 【判旨】 知財高裁は、原告の請求を棄却した。まず引用文献1の記載について、実験ではスレッド当たりのリクエスト数を固定し並列スレッド数を変化させてスループットを測定しており、並列スレッド数の増加に対するスループットには頭打ちの効果があり更なる増加は挙動を不安定にするとの知見が示されていることから、スレッド数の増加による効果には一定の最大限度があることが含意されていると認定した。次にスレッドとプロセスの置換について、裁判所は、審決の「マルチプロセスを採用した場合にプロセス多重度を制限することは容易想到」との説示は当を得たものとはいい難いと指摘しつつも、本件補正発明の特許請求の範囲の記載からは、プロセス数を所定の数に制限する構成は読み取れず、プロセス多重度に対応するプロセス数が設定されるものであれば足りるとした。そのため、引用発明のマルチスレッドの構成をマルチプロセスの構成に置換すれば本件補正発明に至るのであり、マルチスレッドとマルチプロセスは並列処理の手法として周知であることから、この置換は当業者が適宜なし得る事項であるとして、審決の判断は結論において正当であると判示した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。