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損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
平成30ワ15676
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2021年12月23日
裁判官
田中孝一小口五大稲垣雄大

AI概要

【事案の概要】 本件は、発明の名称を「発光装置と表示装置」とする2件の特許権(白色系LED関連)を有する原告(日亜化学工業)が、被告ASUS JAPAN及び被告シネックスジャパンに対し、上記特許発明の技術的範囲に属するLEDを搭載したスマートフォン(ZenFone Go、ZenFone 2)を輸入・販売して特許権を侵害したと主張して、不法行為に基づく損害賠償を請求した事案である。原告は、被告ASUSに対し1585万6000円、被告シネックスに対し2000万円の支払を求めた。 本件特許発明は、窒化ガリウム系化合物半導体の発光層を持つLEDチップと、セリウムで付活されたYAG系ガーネット蛍光体を組み合わせた白色系発光ダイオードに関するものであり、従来の蛍光体の劣化による色調ずれや発光効率低下の課題を解決するものである。被告製品にはそれぞれ複数のLEDが搭載されており、各LEDについて構成要件の充足性が争われた。 【争点】 主な争点は、(1)各被告LEDが「白色系を発光する」(構成要件1A)を充足するか、(2)蛍光体の構成要件充足性(YAG系蛍光体以外の蛍光体を含む場合の技術的範囲への属否)、(3)コーティング樹脂の「充填」要件の充足性、(4)蛍光体濃度分布の要件充足性、(5)同日出願要件(特許法39条2項)違反による無効の成否、(6)サポート要件違反の成否、(7)進歩性欠如の成否、(8)損害額の算定(特許法102条2項・3項の重畳適用の可否を含む)である。 【判旨】 裁判所は、まず「白色系を発光する」の意義について、可視光の発光スペクトルを幅広く含むことではなく、光の色としての白色系を意味すると解釈した。その上で、JIS Z 8110-1984の色度区分等を参照し、被告LED1(色温度5784K)及び被告LED4(色温度5395K)は「白色系」を充足するが、被告LED2(色温度2204K、色度区分上「黄赤」に該当)は充足しないと判断した。 蛍光体の構成要件については、特許請求の範囲の文言上、YAG系蛍光体以外の蛍光体を含むことを排除しておらず、発明の課題解決との関係でも他の蛍光体を含む構成は排除されないと判断した。「凹部に充填されて」の要件は、凹部形成の前後を問わず樹脂が凹部内に充満した状態を指すと解し、充足を認めた。蛍光体濃度分布についても充足を認めた。 無効の抗弁については、同日出願(乙1発明)との関係では発光スペクトルの範囲やコーティング部材の構成等に実質的相違点があるとし、進歩性欠如の主張についても「白色系」発光に関する相違点の容易想到性が主張立証されていないとして、いずれも退けた。 損害額については、被告LEDはスマートフォンのフラッシュライト用部品であり付属品的位置付けにすぎないとして、特許法102条2項の推定を覆滅し、部品の部分構成比に基づき算定した。特許法102条3項の重畳適用は、付属品的パーツの特許では推定覆滅部分について実施許諾をし得たとは評価できないとして否定した。結論として、被告ASUSに対し95万0237円、被告シネックスに対し62万6969円(各弁護士費用を含む)の支払を命じた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。