都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3122 件の口コミ
知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
令和2行ケ10079
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2021年12月27日
裁判官
大鷹一郎小林康彦小川卓逸

AI概要

【事案の概要】 本件は、大塚製薬株式会社(原告)が有する「5−HT1A受容体サブタイプ作動薬」に関する特許(特許第4178032号、有効成分はアリピプラゾール)について、東和薬品株式会社(被告)が請求した特許無効審判の審決の取消しを求める事件である。特許庁は、請求項1・4・5(双極性障害を含む適応)に係る特許を実施可能要件違反及びサポート要件違反により無効とする一方、請求項2(鬱病の治療)に係る特許は有効と判断した。これに対し、原告が請求項1・4・5に係る審決の取消しを求め(第1事件)、被告が請求項2に係る審決の取消しを求めた(第2事件)。医薬用途発明における明細書の記載要件として、出願時の技術常識に照らして対象疾患に対する治療効果を当業者が理解できるか否かが中心的争点となった。 【争点】 主な争点は、(1)本件出願時において、5−HT1A受容体部分作動薬が双極性障害のうつ病エピソードの治療に使用できることが技術常識であったか(第1事件)、(2)本件カルボスチリル化合物(アリピプラゾール)が「選択的な」5−HT1A作動薬でなくとも、鬱病に対する治療効果を当業者が理解できるか(第2事件)、(3)双極性障害患者への抗うつ薬投与に伴う躁転等の有害事象の危険性が実施可能要件・サポート要件の判断に影響するか、の3点である。 【判旨】 知財高裁は、第1事件については原告の請求を認容し、第2事件については被告の請求を棄却した。まず、本件出願当時、大うつ病エピソードの診断基準は単極性うつ病と双極性障害で同一であり、大うつ病性障害に有効な抗うつ薬は双極性障害のうつ病エピソードにも有効と考えられていたことを認定した。そのうえで、5−HT1A受容体部分作動薬一般がその抗うつ作用により双極性障害のうつ病エピソードに対して治療効果を有することは技術常識であったと判断した。抗うつ薬投与に伴う躁転等の有害事象については、「医薬の有用性」の問題であり、気分安定薬との併用等で対応可能であった以上、実施可能要件の判断においてこれを理由に治療効果(「医薬の有効性」)を否定することはできないとした。また、アリピプラゾールが「選択的な」5−HT1A作動薬でないとの被告の主張についても、薬理作用の独立発揮性の観点から、非選択的な化合物にも技術常識は当てはまるとして排斥した。以上から、請求項1・4・5の実施可能要件・サポート要件違反を認めた審決部分を取り消し、請求項2に係る審決は維持した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。