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知財

特許権侵害差止等請求事件

判決データ

事件番号
平成29ワ6334
事件名
特許権侵害差止等請求事件
裁判所
大阪地方裁判所
裁判年月日
2020年1月16日
裁判官
谷有恒野上誠一島村陽子

AI概要

【事案の概要】 本件は、「非水系毛髪化粧料および毛髪処理方法」を発明の名称とする特許権を有する原告(ヘア化粧品メーカー)が、紫外線吸収剤を配合した毛髪化粧料(UVケアオイル)を製造販売した被告ら2社(メーカーと販売会社で、株主・代表取締役が同一の関連会社)に対し、特許権侵害を理由として製造販売等の差止め、製品の廃棄、および損害賠償を求めた事案である。 当初、被告らは、特許請求の範囲の限定解釈、特許の無効(公知、進歩性欠如、サポート要件違反等)および訂正要件違反を争い、特許庁に対して無効審判請求も行ったが、特許庁の審決で訂正が認められ、無効審判請求も成り立たないとされたため、本訴訟では無効等の主張を撤回し、被告製品が本件発明の技術的範囲に属することを認めた。そのため、争点は、差止・廃棄請求の可否と損害額に絞られた。 【争点】 中心的争点は、特許法102条2項に基づく損害額算定における「侵害者の利益」の算定方法である。具体的には、(1)侵害期間中に返品された分を売上から控除すべきか、(2)商品原価(バルク原価、容器・包装費、運賃等)や従業員の「手間」(人件費)、UV防止効果試験費用を経費として控除すべきか、(3)主張立証責任の所在が争われた。 【判旨】 大阪地裁は、まず被告らが現在販売を停止していても、訴訟中まで販売を継続し、製品を所持しているため再侵害のおそれがあるとして、差止請求および廃棄請求を認容した。 損害額については、特許法102条2項にいう「侵害者が受けた利益」とは、侵害品の売上高から製造販売に直接関連して追加的に必要となった経費を控除した限界利益の額であり、その主張立証責任は特許権者側にあるとの知財高裁大合議判決(令和元年6月7日)の枠組みに従って判断した。 その上で、対象期間中の返品分の売上は利益に計上できないとして控除を認める一方、原料原価、調合光熱費、容器・包装資材費、運賃・関税輸送費については直接関連する追加的経費として控除を認めたが、「調合手間」や添付文書差込み等の「手間」(人件費)については、従業員が侵害品のみに従事するわけではなく、追加的に必要となった経費とは認められないとして控除を否定した。UV防止効果試験費用についても、研究開発段階の試験分は控除対象外とし、製品化後の試験費用は損害賠償対象期間に按分した限度で控除を認めた。 結論として、被告らは共同不法行為責任を負うものとし、限界利益額893万円余に弁護士費用110万円を加えた約1003万円の連帯支払いを命じた。本判決は、特許法102条2項の「利益」を限界利益と捉える枠組みを踏襲し、とりわけ人件費について「侵害品専従でない限り直接関連する追加的経費とはいえない」と判断した点で、知財実務における損害額算定の具体的基準を示すものとして意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。