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下級裁

伊方原発3号機運転差止仮処分命令申立却下決定に対する即時抗告事件

判決データ

事件番号
平成31ラ48
事件名
伊方原発3号機運転差止仮処分命令申立却下決定に対する即時抗告事件
裁判所
広島高等裁判所
裁判年月日
2020年1月17日
裁判種別・結果
その他
裁判官
森一岳鈴木雄輔沖本尚紀
原審裁判所
山口地方裁判所_岩国支部

AI概要

【事案の概要】 愛媛県伊方町に所在する四国電力の伊方発電所3号機について、同発電所周辺の住民である抗告人らが、地震および火山の噴火等に対する安全性に欠けるところがあるとして、同原子炉の運転によって大量の放射性物質が放出され、生命・身体等に具体的な危険が及ぶと主張し、人格権に基づく妨害予防請求権を被保全権利として、運転差止めを命じる仮処分を申し立てた事案の即時抗告審である。 原決定(松山地裁)は、地震および火山の噴火等により大量の放射性物質が放出されて抗告人らの生命・身体等に侵害が生ずる具体的危険性があるとはいえないとして、仮処分命令の申立てをいずれも却下したため、抗告人らがこれを不服として抗告した。争点は、司法審査の在り方、原子炉の必要性、地震に対する安全性(特に中央構造線断層帯の評価)、火山事象の影響に対する安全性、避難計画、保全の必要性の6点であるが、当審では火山事象の影響と中央構造線の評価が主要な争点とされた。 【争点】 原子力発電所の設置許可等に関する原子力規制委員会の判断に不合理な点がないといえるか、とりわけ、伊方発電所に影響を及ぼしうる阿蘇カルデラ等における巨大噴火の時期・規模の予測可能性、火砕流など設計対応不可能な火山事象の敷地への到達可能性、破局的噴火に係る立地評価と社会通念との関係などが問われた。 【判旨】 広島高等裁判所は、原決定を取り消し、本案訴訟の第一審判決言渡しまで伊方3号機の運転差止めを命じた。 まず、原子力発電所の運用期間中に巨大噴火が発生する可能性を、燃料搬出に必要なリードタイムをもって的確に予測することは、現在の科学技術水準では困難であるとし、火山ガイドのうち予測可能性を前提とする部分は不合理であるとした。その結果、立地評価は検討対象火山の過去最大の噴火規模を想定して行うべきこととなり、阿蘇4噴火(VEI7)の火砕流が本件敷地に到達した可能性を否定できず、本来立地不適となるが、破局的噴火(VEI7以上)は極めて発生頻度が低く、これを想定した法規制や防災対策も存在しない現状において、その発生リスクは社会通念上相当程度容認されていると認められるから、それのみを理由に立地不適とすることはできないとした。 しかし、これに準ずるVEI6規模(噴出量数十km³)の噴火が発生する可能性は否定できず、相手方(四国電力)が想定する九重第一軽石(6.2km³)を前提とした降下火砕物の層厚15cm、気中降下火砕物濃度約3.1g/m³の想定は過小であって、非常用ディーゼル発電機の火山灰フィルタ性能もこの規模に対応できるとは認められないと判断した。したがって、規制委員会の判断には不合理な点があり、相手方による具体的危険不存在の疎明もなされていないとして、火山事象について被保全権利および保全の必要性を認めた(地震に対する安全性については中央構造線が北傾斜である可能性等に触れつつ、基準地震動超過の疎明までは十分でないとした)。 本決定は、火山影響評価における科学的予測の限界と社会通念の関係を踏まえて、原発の立地評価の一部を不合理と判断し運転差止めを命じた例として重要な意義を持つ。担保は事案の性質に鑑み付さないものとされた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。