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下級裁

覚せい剤取締法違反

判決データ

事件番号
平成30わ1778
事件名
覚せい剤取締法違反
裁判所
名古屋地方裁判所
裁判年月日
2020年1月20日
裁判官
齋藤千恵近藤和久鈴木真理子

AI概要

【事案の概要】 被告人は、共犯者らと共謀の上、営利の目的で、平成30年10月4日、名古屋市内の倉庫において、約339.5キログラムという極めて大量の覚醒剤を所持したとして、覚醒剤営利目的所持罪で起訴された事案である。 被告人は台湾在住で、インターネット上のチャットサイトで知り合った素性不明の者から、名古屋の倉庫での短期作業を紹介され、渡航費・滞在費とは別に報酬として20万台湾元(当時の月収の4〜8か月分に相当)を支払うと提示された。被告人は法律違反の仕事かもしれないと認識しつつも、これを引き受けて来日した。倉庫内での作業は、段ボール箱を開封し、中のタイヤホイールを分解して内輪に巻き付けられたアルミ箔包みの覚醒剤(1個約900グラム)を取り出すというもので、極めて巧妙に隠匿されていた。被告人は作業中、包みの感触や報酬の高額さから違法薬物ではないかと考えながらも作業を継続した。 【争点】 被告人・弁護人は無罪を主張した。争点は、(1)倉庫内で指示を受けて作業していたにすぎない被告人に覚醒剤の「所持」が認められるか、(2)被告人に「営利の目的」が認められるか、である。弁護人は、倉庫の鍵を管理していたのは共犯者Cらであり、被告人は自由に覚醒剤を持ち出せる立場ではなかったから実力支配が確立していないと主張し、また、単なる報酬目当てでは類型的に薬物流通を積極化させる実質を欠き営利目的に当たらないとも主張した。 【判旨(量刑)】 裁判所は、被告人を懲役8年及び罰金200万円に処した(求刑懲役10年及び罰金300万円)。裁判所は、本件倉庫が共犯者Cの所持する鍵で施錠・管理され、被告人は共犯者らと共に覚醒剤を取り出す作業に従事していた以上、被告人らが覚醒剤を物理的に管理支配していたことは明らかで、共同所持が認められるとした。弁護人が主張する「自由な持ち出しや実力による第三者排除が必要」との解釈は採用できないとした。営利目的についても、覚醒剤の量と隠匿態様から犯罪組織の関与が明らかであり、高額報酬の提示を受けて作業に従事した被告人には、自己の財産上の利益を得る目的(自利目的)に加え、報酬の出所である犯罪組織に利益を得させる目的(他利目的)も認められると判断した。 量刑に際しては、所持量が約339.5キログラムと莫大で国内拡散時の害悪は計り知れず、タイヤホイール内への隠匿という巧妙・悪質な手口の組織的犯行であり、同種事案の中でも特に重い部類に属すると評価した。他方、被告人は末端作業員という従属的立場で、日本での前科もないことを考慮したが、違法薬物と認識しながら多額の報酬欲しさに重要な役割を果たした責任は重いとして、主文の刑を相当と判断した。覚醒剤大量密輸事件における末端運搬・作業役に対する量刑の一例として参考となる。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。