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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
平成30行ケ10163
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2020年1月21日
裁判官
高部眞規子小林康彦関根澄子

AI概要

【事案の概要】 本件は、建築構造物の梁(はり)に設けた貫通孔を補強する「梁補強金具」に関する特許(特許第3909365号)について、原告コーリョー建販株式会社が特許無効審判を請求したところ、被告センクシア株式会社が訂正請求を行い、特許庁が訂正を認めた上で「審判請求は成り立たない」との審決をしたため、原告がその取消しを求めた審決取消訴訟である。 本件特許は、H形鋼等の梁のウェブ(腹板部)に配管を通すため開けた貫通孔をリング状金具で補強する構造に関するもので、訂正後の請求項1は、金具の軸方向長さを半径方向肉厚の0.5〜10倍とし、貫通孔より外径の大きい「フランジ部」を外周部の「片面側の端部」に形成し、かつフランジ側の面を金具の内周からフランジ外周まで平面とする構成に限定された。原告は、①訂正は実質的な特許請求の範囲の変更であり訂正要件を満たさない、②訂正後の発明は引用例1(公知の鉄骨梁貫通孔構造)や引用例2(日本建築学会論文)に基づき当業者が容易に想到できた、と主張した。 【争点】 主な争点は、第一に、訂正が特許請求の範囲の減縮にとどまり実質的変更や新規事項追加に当たらないかという訂正要件の適否、第二に、引用発明1・2と周知技術の組合せにより、フランジを軸方向中央ではなく片側端部に配置し、その面を面一とする構成に当業者が容易に想到できたかという進歩性判断である。 【判旨】 知財高裁は原告の請求を棄却し、特許庁の審決を維持した。 訂正要件については、明細書全体の記載に照らすと、本件発明の「外周部」はフランジ部を含めた梁補強金具の外側の周りの部分と解するのが自然であり、訂正はフランジ部の形成位置を「片面側」から「片面側の端部」へと限定し、フランジ側の面が平面であることを付加するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とし、実質的変更にも新規事項追加にも当たらないとした。 進歩性については、引用発明1は肉厚鋼管の中央付近をウェブに溶接することを前提とする技術であり、裏当て体を鋼管の端部にずらす動機付けはなく、引用発明2はそもそもフランジを設けない構造を前提とするため、フランジを付加する動機付け自体が認められないとした。また、原告が援用した配管用フランジ(JIS規格)やH形鋼のフランジ、自転車・鉄道・タイヤ分野のフランジは、いずれも梁貫通孔の一体型補強金具とは技術分野を異にし、フランジを片側端部に形成し片面を面一とする構成が周知技術であったとは認められないと判示した。 本判決は、進歩性判断において引用発明の前提構造や技術分野の違いを慎重に考慮し、用語の汎用性のみを根拠とする動機付けを否定したもので、機械構造分野における周知技術の範囲を限定的に捉える実務上の指針となる。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。