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下級裁

殺人,殺人未遂,銃砲刀剣類所持等取締法違反

判決データ

事件番号
令和1う130
事件名
殺人,殺人未遂,銃砲刀剣類所持等取締法違反
裁判所
広島高等裁判所
裁判年月日
2020年1月21日
裁判種別・結果
棄却
裁判官
多和田隆史水落桃子廣瀬裕亮
原審裁判所
広島地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 被告人は、バス停付近の路上において、殺意をもって、所携の包丁で被害者2名に次々と襲いかかり、1名に背部刺創等の傷害を負わせ(殺人未遂)、もう1名については腹部を突き刺して大動脈切開による失血で死亡させた(殺人)ほか、包丁3本を携帯していたとして銃砲刀剣類所持等取締法違反にも問われた。被告人には統合失調症と中等度の知的障害の既往があり、原審である広島地方裁判所は、完全責任能力を認めたうえで懲役27年の判決を言い渡した。弁護人は、被告人が犯行当時は統合失調症の悪化により心神耗弱の状態にあったとして事実誤認を主張し、仮に完全責任能力が認められるとしても、精神障害や知的障害、不遇な成育歴、通所していた施設による不適切な介入等の影響を考慮すると量刑が重過ぎるとして控訴した。 【争点】 第1に、犯行当時の被告人の責任能力(完全責任能力か心神耗弱か)、特に統合失調症の病状が犯行に影響を及ぼしていたかが争われた。第2に、精神・知的障害や生育環境、施設側の対応等を考慮した場合に、懲役27年という原判決の量刑が重過ぎるかどうかが争われた。 【判旨(量刑)】 広島高等裁判所は控訴を棄却した。責任能力については、起訴前鑑定を担当した医師の鑑定内容(統合失調症は寛解状態にあり、犯行当時に幻覚・幻聴・妄想等はなかったとするもの)は信用でき、犯行前後の被告人の言動(施設職員への電話や想いを寄せる女性への感謝のLINE送信)にも幻聴等の影響はうかがわれず、包丁3本を用意して被害者を尾行したうえで犯行に及ぶという合理的な行動経過からも、自己の意思・判断により行動していたことが認められると判示した。中等度の知的障害については、犯行を決意する判断過程に一定程度影響したことは認められるものの、善悪を弁識する能力や行動制御能力が著しく低下していたとはいえず、完全責任能力を認めた原判断に論理則・経験則に照らした不合理はないとした。量刑についても、統合失調症の影響はなく、知的障害や施設の不適切な介入による精神的不安定さは原審において相応に考慮されており、その程度にも誤りはないとして、懲役27年を維持した。無差別的な通り魔的態様により貴重な人命が奪われた重大な結果を重視しつつ、精神・知的障害が量刑に及ぼす限界を示した裁判例として、責任能力判断と精神鑑定の信用性評価の実務に参考となる事案である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。