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不当利得返還請求事件

判決データ

事件番号
平成30ワ4901
事件名
不当利得返還請求事件
裁判所
大阪地方裁判所
裁判年月日
2020年1月23日
裁判官
谷有恒野上誠一谷有恒

AI概要

【事案の概要】 本件は、携帯電話の着信機能に関する3件の特許権を有する原告(株式会社ヘリオス)が、被告(サムスン電子ジャパン株式会社)に対し、被告販売のスマートフォン等15製品が特許権を侵害すると主張し、民法703条の不当利得返還請求として実施料相当額1億円及び遅延損害金の支払を求めた事案である。 原告の各特許は、電話帳に登録した電話番号のメモリ番号と画像データを対応付けて記憶し、着信時に発呼者番号に対応する画像を読み出して表示するとともに、画像データと一緒に送信された着信メロディデータを記憶して同時に再生することを特徴とする通信端末装置の発明である。原告は、被告製品のグループ設定機能や、音声付き動画ファイルを着信音として電話番号に対応付ける機能が本件発明の構成に該当すると主張し、被告は構成要件充足性を争うほか、各特許に無効理由があると主張した。 【争点】 主な争点は、①被告製品が本件発明1ないし3の技術的範囲に属するか、②各特許に無効審判により無効とされるべき理由があるかである。特に、本件発明2及び3が要求する「画像データと着信メロディデータが一緒に送信されてきたこと」に基づく対応付けが、コンテナフォーマット形式(MPEG-4)の音声付き動画ファイルを着信音に設定する被告製品の構成で満たされるかが争点となった。 【判旨】 大阪地裁は原告の請求を棄却した。本件発明1について、裁判所は、請求項上「電話帳データメモリ」と「画像データメモリ」が物理的に別個であることは要せず、グループ設定機能により画像を電話番号のメモリ番号に対応付ける被告製品の構成も「表示選択」の文言を充足するとして、被告製品1ないし8の技術的範囲属性を肯定した。もっとも、本件発明1は先願である乙12-1発明(取り込んだ画像を電話番号に対応付けて着信時に表示する無線携帯端末)と実質的に同一であり、画像をメモリ番号に対応付けるか電話番号に直接対応付けるかの相違及び新規画像の優先表示は設計上の微差にすぎないから、特許法29条の2(拡大先願)により特許を受けられず、無効審判により無効とされるべきものと判断した。 本件発明2及び3については、請求項の文言、明細書及び出願経過に照らし、画像データと着信メロディデータが別個のファイルとして一緒に送信され、通信端末装置において電話番号との対応付けが行われることを要すると解した。これに対し、被告製品が着信音に設定する音声付き動画ファイルはコンテナ内に動画映像と音声が一体として格納され、端末側で両者を別個に対応付けているとは認められず、構成要件を充足しないとした。 本判決は、出願当時(平成12年)に想定された画像と着信メロディの個別対応付け発明について、後発のコンテナ型動画ファイルを含むとは解し得ないとした点で、出願時の技術常識を踏まえたクレーム解釈の在り方を示した事例である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。