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下級裁

損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
平成29ワ30300
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2020年1月23日
裁判官
大須賀謙一

AI概要

【事案の概要】 本件は、被告病院に入院した原告A(当時61歳、極度の肥満体型)が、肝硬変・非アルコール性脂肪性肝炎の病態把握のためE医師によるエコーガイド下での経皮的肝生検を受けた際、肺を誤穿刺されたことで血液中に気泡が混入し、脳空気塞栓症を発症して左片麻痺等の重度後遺障害(自賠法施行令別表第1第2級相当)を負った事案である。E医師は5回の穿刺を行ったが、採取された検体には肺組織のみが含まれ肝実質は確認されず、体位を戻そうとした際に原告Aが咳とともに急激に意識を喪失した。原告A本人のほか、夫である原告B、子である原告C・Dが、不法行為又は債務不履行に基づく損害賠償(総額約2億6000万円)を請求した。 【争点】 争点は、①肝生検をCTガイド下又は腹腔鏡下で行うべき注意義務違反の有無、②エコーによる臓器描出が不十分な状況で盲目的穿刺を避けるべき注意義務違反の有無、③過失と後遺障害との因果関係、④損害額である。被告側は、エコー画像で肝被膜等は確認できており、5回目の穿刺時に原告Aが指示に反して深く息を吸ったため生検針がずれて肺に刺さったものであり、肺誤穿刺から脳空気塞栓に至る機序は極めてまれで予見不可能であったと反論した。 【判旨】 東京地裁は、被告病院の看護師が本件肝生検直後に作成した観察表の記載の信用性を認める一方、5回目の穿刺時に患者が指示に反して吸気したという被告側の主張について、医療記録に該当記載がないこと、E医師・看護師の証言が曖昧であること、穿刺針が肝被膜直前まで到達していれば吸気により肺が穿刺針手前まで下がるとは考え難いことなどから、これを採用しなかった。その上で、原告Aが極度の肥満体型であり事前の肝硬度検査も皮下脂肪のため中止されていたこと、肝生検は通常2〜3回の穿刺で終わるところ本件では5回行われ結局肝実質が全く採取できなかったことなどを総合し、エコー画像では臓器を十分に描出・確認できない状態にもかかわらず穿刺を繰り返した注意義務違反(本件過失)を認定した。予見可能性についても、肺誤穿刺による空気塞栓症発生は医学的に明らかで合併症として文献にも挙げられているとして肯定し、本件過失と後遺障害との因果関係も認めた。損害については、後遺障害等級2級相当として、原告Aに入院費、慰謝料、逸失利益、将来介護費等として約1億2799万円、夫である原告Bに110万円、子である原告C・Dに各55万円の支払を命じた。本判決は、侵襲的検査において患者の体型等から画像による位置確認が困難な状況でもなお穿刺を強行した医師の判断を過失と認めた事例として、実務上の意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。