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行政

公文書部分公開決定処分取消請求事件

判決データ

事件番号
平成31行ウ18
事件名
公文書部分公開決定処分取消請求事件
裁判所
大阪地方裁判所
裁判年月日
2020年1月23日
裁判官
松永栄治宮端謙一大塚穂波

AI概要

【事案の概要】 平成30年6月18日、大阪府北部地震が発生し、α市立A小学校のブロック塀が崩落して女児が死亡する事故が起きた。原告は、α市情報公開条例に基づき、α市消防長に対し、本件事故に関する車両・職員・医師の出動の履歴や、当日午前8時から8時30分までの救急車の出動履歴が分かる文書の公開を請求した。これに対しα市消防長は、対象文書として「救助活動報告書」および「救急日報」を特定したうえで、傷病者の搬送先医療機関名、出場・現着・病着時刻、覚知から現場到着までの所要時間などを、条例6条1項1号の個人情報に該当するとして非公開とする決定をした。原告は、これらの部分には非公開事由がないとして、その取消しを求めた。情報公開制度における個人情報該当性と、事故被害者が広く報道された場合の識別可能性が問題となった事案である。 【争点】 争点は、非公開とされた各欄の情報が、条例6条1項1号本文にいう個人識別情報または利益侵害情報に該当するか、該当するとしても、同号ただし書ア(法令・慣行として公にされる情報)、イ(生命等保護情報)、ウ(公務遂行情報)のいずれかに該当し例外として公開されるべきかである。特に、大震災により広く報道された事故について、救急搬送の詳細情報が他の情報との照合により特定個人を識別できるかが中心的論点となった。 【判旨】 大阪地裁は、救助活動報告書の非公開部分および本件事故に関する救急日報B欄の情報については、本件事故が被害者の実名を含めて広く報道されていることから、報道内容と照合することで被害者を特定でき、個人識別情報に該当すると判断した。これに対し、本件事故以外の13件の救急活動記録である救急日報のB以外の整理番号の情報については、地震関連の報道が事故態様・実名・年齢等の限られた情報にとどまることが通常であり、搬送先医療機関名や所要時間から傷病者個人を識別することはできないとして、個人識別情報該当性を否定した。もっとも、「収容病院」欄については、大阪府内に精神科・心療内科のみの病院が25か所、がん専門病院が4か所存在することから、搬送先から病気の種別や受診事実をうかがい知ることができ、秘匿性の高い私的情報が他人に知られるおそれがあるとして、利益侵害情報に該当するとした。ただし書該当性については、救助活動の詳細や搬送先医療機関名を公にする慣習の立証がないこと、生命等への侵害の蓋然性や公開による侵害除去の蓋然性が立証されていないこと、対象個人が公務員に該当しないことから、いずれも否定された。結論として、救急日報のB以外の「覚⇒現」および「出⇒病」欄の部分についてのみ非公開決定の取消しを認め、その余の請求を棄却した。情報公開条例の個人情報該当性判断において、公知の事実と照合した識別可能性を慎重に認定した事例として実務的意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。