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下級裁

損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
平成27ワ3013
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
名古屋地方裁判所
裁判年月日
2020年1月24日
裁判官
末吉幹和村松教隆小宮思帆音

AI概要

【事案の概要】 本件は、名古屋市内の土地開発事業区域に土地を所有していた地権者らが、土地開発業者である被告矢作建設、コンサルタント業者である被告環境設計、宅建業者である被告アラキ開発、及び売却交渉を担当した不動産仲介業者である被告Hらに対し、共同不法行為に基づく損害賠償を求めた事案である。 原告ら(地権者ら)は、従前地を被告矢作建設に売却し、又は従前地に替えて農地・宅地(替地)を取得する契約を締結していた。原告らは、被告Hらから「交換特例が適用されるので譲渡所得税はかからない」との説明を受けていたにもかかわらず実際には譲渡所得税が課されたこと、また従前地と替地の面積比率(土地交換比率)について一定の基準(本件替地基準)が示されていたのに実際の交換比率は地権者ごとに区々で不公平であったこと等を理由として、各被告には信義則上、開発事業全体の説明義務や譲渡所得課税・土地交換比率に関する説明義務があったのにこれを怠ったとして、共同不法行為に基づく損害賠償を求めた。 【争点】 被告矢作建設・被告環境設計・被告アラキ開発・被告Hらそれぞれについて、地権者原告らに対する(1)開発事業全容の説明義務、(2)譲渡所得課税に関する調査・説明義務、(3)土地交換比率の不公平に関する説明義務、(4)登記原因の齟齬に関する説明義務、(5)土地買増代金受領の適否等について注意義務違反が認められるか、及び共同不法行為の成否・因果関係・損害の有無が争われた。 【判旨】 請求棄却。本件開発事業は、土地区画整理事業のような法定の開発手続ではなく、地権者と開発主体との個別の不動産取引契約を基礎とするものであり、地権者原告らにとって重要な要素は自らが譲渡する従前地の価格や取得する替地の内容であって、他の地権者の契約内容との比較考量ではなかった。被告矢作建設は2回の説明会を開催しており、信義則上、事業計画全容まで説明する義務はない。譲渡所得税の課税判断は本来納税者において行うべき事柄であり、被告矢作建設は税務当局や税理士法人に照会した上で明確な回答が得られなかったため、契約書に課税可能性を明示する条項(本件課税文言)を付記しており、交換特例の不適用を認識・容易認識可能であったとはいえない。被告環境設計は都市計画法上の開発許可取得等の限定的業務のみ受託しており、本件開発事業全体の説明義務を負う立場にない。被告アラキ開発は地権者らとの媒介契約を締結しておらず、宅建業法上の説明義務も発生しない。被告H及び被告Iは不動産取引業者であって税の専門家ではなく、また契約締結時点で交換特例の適否は確定していなかったのであるから、結果として説明が誤っていたとしても法的な説明義務違反は認められない。土地交換比率についても、従前地の地目・面積・場所は区々であり本件替地基準はあくまで目安にすぎず、現実の差異が直ちに違法な不公平とはいえない。したがって各被告に原告ら主張の注意義務違反は認められず、共同不法行為は成立しない。 本判決は、宅地開発事業における地権者と事業者の情報格差を背景としつつも、契約交渉の個別性や専門家責任の範囲を踏まえ、信義則上の説明義務を過度に拡張しない立場を示したものである。税務上の取扱いに疑義がある場合に契約書に明示条項を付して地権者の署名を得るという実務的対応を正面から評価しており、土地開発実務における業者の説明義務の射程を考える上で参考になる。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。