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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
令和1行ケ10090
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2020年1月27日
裁判官
森義之佐野信熊谷大輔

AI概要

【事案の概要】 本件は、「美容器」に関する特許(本件特許)の無効審判請求を不成立とした特許庁の審決に対する取消訴訟である。本件特許の請求項1は、棒状のハンドル本体と、その表面から内方に窪んだ凹部と、ハンドル本体との結合部分が露出しない状態で凹部を覆うハンドルカバーとからなるハンドルを有し、ハンドル本体の一端に一対の分枝部が一体的に形成され、各分枝部に設けられた軸孔に挿通されたローラシャフトに一対のローラが取り付けられた美容器に関するものである。 原告は、中国実用新案公報(甲1文献)に記載された発明(細長椀状の固定フレームを上部装飾カバーと下部装飾カバーで挟んで持ち手を構成する美容器)と、別の実用新案公報(甲2文献)に記載されたマッサージローラの技術事項とを組み合わせれば、本件発明は容易に想到できると主張し、進歩性欠如を理由に無効審判を請求したが、特許庁は請求を不成立としたため、本件訴訟を提起した。 【争点】 争点は、本件発明1について進歩性判断に誤りがあるか否かであり、具体的には、(1)本件発明の要旨認定において、ハンドルを上下又は左右に分割した構成を含むと解すべきか、(2)甲1文献の下部装飾カバーと固定フレームを一体部材と評価して相違点認定を変更すべきか、(3)甲1発明に甲2技術事項を適用して相違点に係る構成に到達することが容易か、が問題となった。 【判旨】 裁判所は、原告の請求を棄却した。まず発明の要旨認定について、特許請求の範囲の記載に基づくべきとしつつも、その技術内容の理解のために明細書・図面を参酌することは許されるとし、本件発明は、ハンドルを分割した場合と比較して成形精度・強度を高く維持し、組立て作業性を向上させる点に技術的意義があることから、上下又は左右に分割された構成を含まないと認定した。次に甲1文献については、下部装飾カバーは持ち手の表面を構成して把持性や見栄えを高める技術的意義を有する独立した部材であり、固定フレームと一体の部材と評価することはできないと判断した。さらに甲1発明と甲2技術事項は、カバーの組立構造や分枝部の有無において形状に大きな差異があり、これらを組み合わせる動機付けを欠くと認定した。ハンドルの形状・構造は単なる設計事項にすぎないとの原告主張についても、分枝部の有無によって形状・強度・部品点数に少なからぬ差異が生じるとして退けた。 本判決は、美容器という日用品分野の特許であっても、発明の要旨認定にあたり明細書の記載から導かれる技術的意義を重視し、引用発明との組合せ動機付けを慎重に検討する進歩性判断の標準的枠組みを示したものであり、形状・構造に関する相違点を安易に設計事項として処理することを戒める実務的意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。