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下級裁

組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反,現住建造物等放火,傷害

判決データ

事件番号
平成26わ1284
事件名
組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反,現住建造物等放火,傷害
裁判所
福岡地方裁判所
裁判年月日
2020年1月27日

AI概要

【事案の概要】 本件は、指定暴力団甲會の二次団体である乙組組織委員であった被告人が、組長ら複数の組員と共謀して敢行した四件の組織的犯罪に関する事案である。第一は、平成二四年八月、北九州市小倉北区の繁華街で暴力団排除標章を掲示していた雑居ビルのエレベーター内に灯油を撒き、発炎筒を投げ込んで放火した現住建造物等放火事件である。第二は、同年九月、標章を掲示したラウンジの女性経営者と、その乗車していたタクシー運転手を刃物で切りつけ、臀部等を突き刺した組織的殺人未遂(不正権益維持・拡大目的殺人未遂)事件(f1事件)である。第三は、同年九月、別の男性を刃物で突き刺した傷害事件(g2事件)である。第四は、平成二五年一月、甲會総裁が通院していた美容形成外科の女性看護師を、総裁の指揮命令に基づき組員が刃物で襲撃した組織的殺人未遂事件(看護師事件)である。これらは、福岡県暴力団排除条例に基づき導入された標章制度への反発や、総裁個人の不満に起因する報復として、乙組・甲會が組織を挙げて敢行したものとされる。被告人は、放火事件の実行役、f1事件の実行犯、g2事件の見張り兼合図役、看護師事件の尾行・行動確認役として関与したとされたが、放火についての共謀の内容、看護師事件の共謀及び実行犯の殺意、そしてf1事件についての犯人性自体を争った。 【争点】 争点は、(1)放火事件について、被告人に放火の共謀があったか、エレベーターが建造物に当たるか、現住性・現在性の認識があったか、(2)看護師事件について、実行犯に殺意があったか、被告人に組織的殺人の共謀があったか、(3)f1事件について、被告人が実行犯として関与したといえるかの各点である。 【判旨(量刑)】 裁判所は、共犯者の供述の信用性を具体的に検討し、被告人がリュックサックに灯油入りペットボトルと発炎筒を入れて犯行現場に赴いた行動からして放火の共謀を認識していたと認定し、ビルのエレベーターは物理的・機能的に建物と一体であるから刑法一〇八条の建造物に該当し、多数の飲食店が入居するビルである以上、現住性・現在性についても未必的認識があったと判断した。看護師事件については、実行犯が鋭利な刃物で左側頭部を相当強い力で突き刺した行為は生命に危険を及ぼす行為であり、少なくとも未必の殺意があったと認め、被告人についても、五か月余の間に組織的犯行を重ねた経緯や共犯者との通話内容から、被害者を殺害する事態を容認していたと認定した。f1事件については、犯行直後に被告人が凶器と作業服を別組員に引き渡した事実や、後日別事件の際に「前回が思わぬとこから反撃があった」などと語った犯行告白を根拠に、被告人を実行犯と認定した。その上で、いずれも極めて組織的・計画的で残忍な犯行であり、被害者らの被った肉体的・精神的苦痛は計り知れないこと、被告人が前刑服役後一年も経ずに犯行を重ね、暴力団組織との親和性が高いことなどを指摘する一方、犯行の立案者ではなく指示を受けて関与した点で上位者と比して責任は幾分軽いとし、被告人を懲役二六年に処した(求刑懲役三〇年)。本判決は、暴力団排除条例下の標章制度に対する組織的対抗犯罪の一連事件について、共犯者供述の信用性評価と組織的共謀の認定枠組みを示した事例として実務上重要である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。