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知財

著作権侵害差止等請求事件

判決データ

事件番号
平成29ワ12572
事件名
著作権侵害差止等請求事件
裁判所
大阪地方裁判所
裁判年月日
2020年1月27日

AI概要

【事案の概要】 本件は、ビジュアル・アイデンティティ(VI)の制作等を業とする株式会社である原告が、素麺ブランド「播磨喜水」を展開していた株式会社(後に被告に吸収合併)及び被告との間で、ブランディングやデザイン制作に関する業務委託契約を締結した事案である。原告は、①パッケージデザイン6種類について未払報酬合計約1260万円の支払、②播磨喜水から委託を受けて制作したレシピブック、カタログ、店頭POP、ウェブサイト等の著作物を、被告側が自社のチラシ、カタログ、ウェブサイト等に無断で利用したことによる著作権(複製権等)侵害に基づく差止・廃棄・損害賠償、③被告のコーポレートシンボル、事業領域図、広告写真、CI映像等の著作物を、被告がロゴ、リクルートパンフレット、ポスター、椅子用カバー、自社ウェブサイト等に無断で改変・利用したことによる著作権侵害に基づく差止・廃棄・損害賠償を求めて提訴した。被告は、契約上明示の合意がなくとも、委託者が宣伝広告・販促・広報活動として制作物を利用することは黙示的に許諾されていた、仮にそうでなくとも原告の請求は権利濫用に当たると反論した。 【争点】 主な争点は、①デザイン制作委託契約において、著作権の帰属と委託者による利用許諾の範囲がどのように合意されていたか、特に明示的な合意がない場合に黙示の利用許諾が認められるか、②一部の制作物(レシピブックの編集、ウェブサイトの構成、商品写真)について、そもそも著作物性や翻案該当性が認められるか、③追加印刷を行わなかったパッケージデザインについて、本来のデザイン料体系に従った高額の報酬請求が認められるか、商法512条による相当報酬請求権が成立するかであった。 【判旨】 大阪地裁は原告の請求をいずれも棄却した。判決はまず、①レシピブックの編集については、配置方針に共通点はあるものの具体的配列や配色・構成は異なり、編集著作物としての創作性が再現されていないとし、②ウェブサイトのトップページ構成は、料理素材販売サイトにしばしば見られるありふれた構成で創作性を欠き著作物性が認められず、③商品パッケージ並列写真は、カメラアングル以外は光線・陰影・色彩配合が相違し本質的特徴部分が共通しないとして、翻案にも当たらないと判断した。黙示の利用許諾については、受託者が制作物の著作権を留保しつつ、委託者が自身の宣伝広告・販促・広報資料として必要な範囲で複製・利用することを許諾する旨の黙示の合意が存在すると認定し、委託者側の利用はいずれも許諾範囲内であるとした。特にVI業務委託契約の解釈では、ロゴマーク等が事業全般で様々な媒体に使用されることが当然想定されるから、契約上の「使用」は被告の事業全般における使用を意味し、「変更修正」は著作権法上の「複製」を超える改変を指すと解釈し、事業活動の機動性・円滑性の要請に適合的な契約解釈を示した点が実務上重要である。パッケージデザインの報酬についても、発注累計個数に応じた単価設定の合意が存在する以上、追加印刷がなかった場合に本来料金体系に戻る旨の合意は認められず、商法512条の適用もないとした。本判決は、デザイン制作委託におけるクライアントの利用範囲を契約解釈によって合理的に画定し、デザイナー側の過大な事後請求を抑制した先例として参照価値がある。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。