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下級裁

損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
平成29ワ482
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
高松地方裁判所
裁判年月日
2020年1月28日
裁判官
森實将人財津陽子上原絵梨

AI概要

【事案の概要】 本件は、社会福祉法人が運営する保育所において、園庭に設置された雲梯のV字型開口部に3歳児の頚部が挟まれる事故が発生し、低酸素脳症を経て当該園児が死亡したことについて、両親である原告らが、保育所の園長(被告C)および担任保育士(被告D)に対しては民法709条に基づき、運営法人(被告法人)に対しては民法715条1項(第一次的請求)等に基づき、損害賠償を求めた事案です。 事故当時、園庭では3〜5歳児クラスの園児57名が自由保育の時間帯にあり、保育士4名が園庭に配置されていました。亡くなった園児は、雲梯の側面から補助板に足をかけてよじ登ろうとしたところ、梯子の横板と頬杖との間に形成された約44度の上向きV字型開口部に頭部が挟まり、自重により頚部が圧迫されて窒息しました。異変に気付いた職員が救助するまで約10分を要し、蘇生したものの全脳虚血状態に陥り、約9か月後に死亡しました。国土交通省指針や日本公園施設業協会の規準では、上向きV字型開口部は55度未満としないよう求められていましたが、本件雲梯は約2度傾いた結果この基準に抵触する構造となっていました。 【争点】 園長および担任保育士個人に、雲梯の危険性についての予見義務違反や監視体制構築義務違反・動静把握義務違反が認められるか、これらの過失に基づき運営法人が使用者責任を負うかが主たる争点となりました。運営法人自身の組織としての過失は争いがありませんでした。 【判旨】 裁判所は、原告らの被告法人に対する第一次的請求(使用者責任)および被告C・被告Dに対する個人責任の請求をいずれも棄却した上で、被告法人に対する第二次的請求(組織過失に基づく不法行為責任)を一部認容し、合計約3145万円の賠償を命じました。 園長個人については、雲梯の形状から注意深く観察すれば危険性を予見することは不可能ではなかったものの、V字型開口部の傾斜は約2度と僅かで一見しては危険性の認識が容易ではなく、過去に同種事故の報告や専門業者による指摘もなかったこと、就任からわずか12日目の事故であったことから、予見義務違反を問うのは著しく困難であると判断しました。担任保育士についても、自由保育の性質上、園児一人一人の動静を常時凝視し続ける義務までは課されないとし、園庭を離れる際に他の保育士に連絡した以上、動静把握義務違反はないとしました。 他方、被告法人については、組織体として雲梯にV字型開口部が生じた時点以降、園児の身体が挟み込まれる危険性を認識すべきであったのに放置した過失があるとして責任を認めました。保育所の遊具管理責任を、現場保育士個人と運営主体とで段階的に捉え、組織としての安全確保義務を重く評価した判断として実務上重要な意義を有します。損害については、逸失利益、死亡慰謝料2000万円、親の固有慰謝料(父200万円、母300万円)等が認定され、既払金の充当処理を経て前記認容額となりました。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。