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知財

著作権侵害差止等請求事件

判決データ

事件番号
平成30ワ30795
事件名
著作権侵害差止等請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2020年1月29日

AI概要

【事案の概要】 本件は、「BIWAHOUSE」の名称でアート作品等を手掛ける原告らが、照明用シェード「umbel(アンベル)」(原告作品)の著作権を主張して、被告丹青社および被告ルーセントデザインらに対し、作品「Prism Chandelier」(被告作品)の制作・販売・貸与・展示の差止め、損害賠償計550万円、および謝罪広告の掲載を求めた事案である。 原告作品は、三浦公亮東京大学名誉教授が発見した折り方「ミウラ折り」の要素を取り入れて折ったシート素材のエレメントを、球状フレームに複数挿入することで、散形花序(花柄が放射状に広がって咲く花のつき方)を人工物で表現した照明用シェードである。他方、被告作品は、コンラッド大阪に設置されたシャンデリアで、プリズムシートを折って制作されたエレメントを多数の球形フレームに配置した作品であった。 原告らと被告ルーセントの代表者被告Yは、かつて共同で光のインスタレーション作品を制作した経緯があり、被告らが原告作品の存在を知った上で被告作品を制作したことには争いがなく、翻案権および同一性保持権の侵害の成否が争われた。 【争点】 主要な争点は、被告作品が原告作品の翻案(著作権法27条)に該当するかである。その前提として、応用美術である原告作品に著作物性が認められるか、認められる場合、被告作品から原告作品の表現上の本質的特徴を直接感得することができるかが問題となった。 【判旨】 東京地裁民事第40部は、原告らの請求をいずれも棄却した。 まず原告作品の著作物性については、ミウラ折りを応用したエレメントの頭部が立体的に重なり合い、散形花序のような自然で美しいフォルムを人工物で表現したもので、美術工芸品に匹敵する高い創作性を有し、美術の著作物(著作権法2条1項1号)に該当すると認めた。 もっとも翻案該当性については、最高裁平成13年6月28日判決(江差追分事件)を引用し、既存著作物の表現上の本質的特徴を直接感得できる場合に限り翻案にあたるとの基準を示した上で、原告作品の本質的特徴を、エレメントが花弁状に開花する形状、ミウラ折りによる複雑な陰影、散形花序のような丸みを帯びた輪郭にあると認定した。その上で、被告作品はエレメントが大両刃部・小両刃部からなり先端が鋭く様々な方向に突き出しており立体的・人工的な印象を与える点、折り線が等間隔のジグザグ線を構成せずミウラ折りの要素を取り入れていない点、素材が光を拡散する乳白ポリエステルではなくプリズムシートでありクリスタル様のまばゆい輝きを放つ点、全体の輪郭もボール状の丸みではなく凹凸のある刺々しい印象である点で相違しており、被告作品から原告作品の本質的特徴を直接感得することはできないと判断した。したがって翻案にも同一性保持権侵害にもあたらないとして、その余の争点を判断するまでもなく請求を棄却した。 本判決は、応用美術について著作物性を肯定しつつ翻案該当性は否定した事例として、著作物の保護範囲を具体的表現に即して限定的に画する判断を示したものとして、デザイン実務における参考となる。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。