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商標権侵害差止等請求本訴事件,虚偽事実告知・流布行為差止請求反訴事件

判決データ

事件番号
平成30ワ11046
事件名
商標権侵害差止等請求本訴事件,虚偽事実告知・流布行為差止請求反訴事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2020年1月29日

AI概要

【事案の概要】 東京都大田区大森地区を本店とする海苔製造販売業者(原告、株式会社守半海苔店)が、同区蒲田地区を本店とする海苔製造販売業者(被告、株式会社守半總本舗)に対し、被告が商品の包装、パンフレット、ウェブページ、店舗内の売場表示等に「守半」の文字を含む標章を使用する行為が、原告の保有する登録商標「守半」(第1417322号、指定商品は焼きのり・干しのり・お茶漬けのり等)を侵害するものとみなされると主張して、商標法36条1項・2項に基づく標章使用の差止め、容器包装及びパンフレットの廃棄、並びに侵害前10年分の損害賠償金4500万5000円及び遅延損害金の支払を求めた商標権侵害差止等請求本訴事件である。 これに対し、被告は、「守半」の標章は明治17年に大森地区で海苔問屋を創業したAに由来し、その事業を承継した「守半本店」(本訴補助参加人)に原始的に帰属するものであり、被告の前身(Aの弟子D)は昭和2年に守半本店からのれん分けを受けて蒲田地区で「守半」の屋号を使用してきたものであって、原告は守半本店の分店にすぎず、原告の本訴請求は権利濫用に該当すると主張して争った。また被告は反訴として、原告がウェブページ上で「明治34年、大森の地に開業した守半海苔店は『やきのり』の元祖」「一店舗のみで販売を行っており、のれん分け等はしておりません」等の記載(本件表示)を掲載することは、被告の営業上の信用を害する虚偽事実の告知・流布に当たり不正競争防止法2条1項21号に違反するとして、不正競争防止法3条1項に基づき同記載の差止めを求めた。 【争点】 本訴については、被告各標章の使用が本件商標権を侵害するとみなされる行為に該当するか、原告の本件商標権に基づく請求が権利濫用に該当するか、本件商標登録が無効とされるべきか(公序良俗違反・周知商標該当性)、被告に先使用権があるか等が、反訴については、本件表示が被告の営業上の信用を害する虚偽事実の告知に該当するかが争われた。 【判旨】 東京地裁は、被告各標章の使用行為は形式的には本件商標権を侵害するものとみなされると認めつつ、原告による本件商標権の行使は権利の濫用に当たり許されないとして、原告の本訴請求及び被告の反訴請求をいずれも棄却した。 権利濫用の判断において、裁判所は、原告・被告・守半本店の三者が使用する「守半」の標章はいずれも明治17年にAが開業した守半本店の事業に由来するものであり、昭和2年に蒲田地区で事業を開始したDに対しては、守半本店からの明示的な異議がないまま90年以上にわたり商号・標章の使用が継続されていた経緯などから、守半本店から被告の前身Dに対し「守半」を含む商号・標章の使用についての許諾があったと推認するのが相当であり、蒲田地区外での営業や「守半總本舗」への商号変更についても許諾の範囲を逸脱するとはいえないと認定した。また、原告側が主張する「明治34年に事業が卸売と小売に分割され、守半本店と守半海苔店は対等に承継された」との事実は証拠上認められず、Aの事業を主として承継したのは守半本店であったと認定した。その上で、「守半」の標章の知名度・信用の獲得には守半本店や被告側の寄与も相当程度あり、原告及びその前身に集中的に帰属するものとはいえないこと、本件商標権取得後も本訴提起直前の平成29年末に至るまで原告が被告に対し長期間権利行使をしていなかったことなどを総合考慮し、本件商標権に基づく本訴請求は権利濫用に該当すると結論付けた。 反訴については、原告のウェブ上の記載は、被告を直接名指ししておらず、のれん分けをしたのは守半本店であって原告ではない以上「原告がのれん分けをしていない」との記載自体は虚偽とはいえず、「やきのり」の元祖に関する記載も被告のウェブページにも同趣旨の記載があること等から、被告の営業上の信用を害する虚偽の事実の告知(不正競争防止法2条1項21号)には該当しないとして、反訴請求も棄却した。本判決は、老舗の屋号・のれん分けをめぐる商標権の行使について、長期間の黙認・業界内の慣行・標章の由来等を踏まえて権利濫用法理を適用した事例として実務上参考となる。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。