都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3140 件の口コミ
下級裁

不指定取消請求事件

判決データ

事件番号
令和1行ケ7
事件名
不指定取消請求事件
裁判所
大阪高等裁判所
裁判年月日
2020年1月30日
裁判官
佐村浩之天野智子

AI概要

【事案の概要】 本件は、ふるさと納税指定制度の適用に際し、総務大臣(被告)が泉佐野市を指定対象としなかった不指定処分の取消しを、同市長(原告)が求めた事案である。 ふるさと納税制度は平成20年度税制改正で導入され、地方団体への寄附額が一定限度まで個人住民税・所得税から控除される仕組みである。運用の過程で返礼品競争が過熱し、総務大臣は平成27年以降、返礼割合3割以下や地場産品限定を技術的助言として求めてきたが是正に従わない団体もあった。そこで平成31年の地方税法改正により、総務大臣が基準適合と指定した地方団体への寄附のみを特例控除対象とする制度が導入された。総務省告示第179号2条3号は、指定基準として「平成30年11月1日から指定申出書提出日までの認定基礎期間中に、告示の趣旨に反する方法により他の地方団体に多大な影響を及ぼすような寄附金の募集を行い、著しく多額の寄附金を受領した地方団体でないこと」を定めた。 泉佐野市は関西国際空港関連の負債を背景にふるさと納税を財政再建策として積極活用し、平成30年度には497億円超を受領。認定基礎期間中もアマゾンギフト券の上乗せ等により返礼割合を高め、331億円超を集めていた。同市は返礼品を提供しない旨の申出をしたが、総務大臣は令和元年5月14日、告示2条3号該当等を理由に不指定処分をした。 【争点】 主要な争点は、(1)法37条の2第2項の委任が白紙委任として違憲か、告示2条3号が委任の範囲を超えるか、(2)過去の適法行為を事後的に不利益に扱うことが租税法律主義や地方自治法247条3項等に反するか、(3)泉佐野市が告示2条3号の要件に該当するか、返礼品を提供しない旨の申出をした同市に法定返礼品基準を審査したことが違法か、(4)意見公募手続や理由付記等の手続的違法の有無である。 【判旨】 大阪高裁は原告の請求を棄却した。 委任立法の限界について、法37条の2第2項は制度趣旨や法定返礼品基準との関係から委任の範囲を合理的に特定可能であり、告示2条3号は委任の範囲内にあるとした。同号は改正法施行前の行為を遡及的に違法化するものではなく、認定基礎期間中の客観的事実を指定要件とするにすぎないため、租税法律主義や地方自治法247条3項・245条の3にも反しないと判示した。 要件該当性については、泉佐野市の認定基礎期間中の返礼品提供等は制度趣旨に反する方法であり、受入額331億円超は適正な募集を行った団体(最多約50億円)と比較して「著しく多額」に当たることは明らかとした。返礼品を提供しない旨の申出があっても、記者会見での発言等から指定対象期間中に返礼品提供の意思があると総務大臣が認めたことに裁量逸脱濫用はないとした。手続面でも、本件告示は国と地方団体の関係を定める命令に該当するため意見公募手続は不要であり、不指定理由の付記も十分であるとして違法はないと結論した。 本判決は、過熱した返礼品競争を是正するため導入された指定制度について、過去の募集態様を考慮した不指定の適法性を認めたものである。もっとも本件はその後最高裁で判断が覆され、告示のうち過去の募集態様を指定要件とする部分が法律の委任の範囲を超えるとされた点で、地方自治と国の関与の在り方をめぐる重要な先例となった。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。