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最高裁

公務執行妨害被告事件

判決データ

事件番号
令和1あ1987
事件名
公務執行妨害被告事件
裁判所
最高裁判所第三小法廷
裁判年月日
2020年1月31日
裁判種別・結果
判決・破棄差戻
裁判官
宮崎裕子戸倉三郎林景一宇賀克也林道晴
原審裁判所
東京高等裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、公務執行妨害罪で起訴された被告人に対する上告審判決である。被告人は第一審で有罪判決を受けた後、控訴審(東京高等裁判所)で審理されたが、原審(控訴審)の判決書に、公判審理に関与していない裁判官が「判決をした裁判官」として署名押印していたことが、最高裁判所による職権調査の結果、記録上明らかとなった。 刑事訴訟法上、判決は公判期日に公開の法廷で行われる審理に立ち会い、その内容を直接見聞きした裁判官(直接主義・口頭主義の要請)が行わなければならないとされている。これは、証人尋問や被告人質問における供述態度、弁論の内容等を実際に体験した裁判官が、心証を形成したうえで判決を言い渡すことを求める、刑事裁判の根幹に関わる原則である。合議体で審理された事件であっても、判決書に署名押印する裁判官は、その事件の公判審理に関与していた裁判官でなければならず、関与していない裁判官が判決書に署名押印することは、判決の基礎に重大な瑕疵があることを意味する。 本件では、この原則に反して、公判審理に関与していない裁判官が原判決に関与したという事態が生じており、最高裁は、これを職権で調査して見出したものである。 【判旨】 最高裁は、原審の公判審理に関与していない裁判官が原判決に関与したことは、判決に影響を及ぼすべき法令の違反であり、かつ、原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものと認められると判断した。そのうえで、当事者双方の意見を聴いたうえ、刑事訴訟法411条1号(判決に影響を及ぼすべき法令違反を理由とする職権破棄)及び413条本文(破棄差戻し)により、原判決を破棄し、本件を原裁判所である東京高等裁判所に差し戻すのが相当であるとした。 また、本判決は、破棄差戻しをするに当たり、必ずしも口頭弁論を経ることを要しないと判示した点にも意義がある。刑事訴訟法408条は、上告審において事件につき決定をするときを除き、原則として口頭弁論を経て判決しなければならない旨を定めているが、最高裁は、本件における破棄事由の性質(公判関与裁判官以外の者による判決という形式的・手続的瑕疵)、被告事件の内容、審理経過等に照らせば、同条の趣旨からみて口頭弁論を経る必要はないとした。 本判決は、公判審理に関与した裁判官のみが判決をなし得るという刑事裁判の基本原則を改めて確認するとともに、そのような形式的瑕疵を理由とする破棄差戻しの場面における口頭弁論の要否について、実務的な指針を示したものといえる。裁判官全員一致の意見による判決である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。