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損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
令和1ワ23125
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2020年1月31日

AI概要

【事案の概要】 本件は、映画・ビデオの映像製作等を業とする原告会社が、被告に対し、著作権侵害による損害賠償を求めた事案である。原告は、平成28年12月1日に株式会社CAを吸収合併し、同社が保有していた映画の著作物(アダルト作品)に関する著作権および損害賠償請求権を承継した。 被告は、平成27年3月24日、本件著作物の一部を動画共有サイト「FC2動画アダルト」のサーバにアップロードし、少なくとも平成28年6月16日までの間、これを公衆に送信し得る状態に置いた。これにより被告は、著作権法が定める公衆送信権(著作権法23条1項)を侵害したものである。 原告は、本件著作物がグループ企業「DMM.com」で1本300円のストリーミング配信として有料提供されていたこと、被告がアップロードした動画の再生回数が9896回に達していたこと、原告が第三者にライセンスする際の使用料率が売上総額の38%であることを根拠に、300円×9896回×38%=112万8144円を使用料相当損害額として請求した(民法709条、著作権法114条3項)。 【争点】 争点は、著作権法114条3項に基づく使用料相当損害額の算定である。原告は再生回数・販売価格・使用料率を掛け合わせた計算式で損害額を主張したのに対し、被告は、本件著作物の再生時間が120分であるのに対しアップロードされた動画は50分にすぎないこと、本件サイトの再生回数には無料視聴分も含まれ有料配信と同視できないことから、原告主張額は過大であると争った。 【判旨】 東京地方裁判所は、原告の請求を40万円の限度で認容し、その余を棄却した。 裁判所はまず、本件サイトに表示された「再生数9896」がいかなる方法で計測されたか明らかでなく、無料会員によるごく短時間のサンプル視聴が含まれる可能性を否定できないと指摘した。また、被告がアップロードした動画の再生時間は自認する限りでも50分にとどまり、本件著作物本来の収録時間120分より相当程度短いことを認定した。 さらに原告が使用料率の根拠として提出した第三者との契約書は、平成15年の基本契約に基づき平成21年に交わされた覚書であり、本件侵害行為(平成27年)より相当以前の1例にすぎず、これを基礎に本件の利用料率を定めることは相当でないとした。加えて、提示されたストリーミング料金300円が消費税込みか否かも不明であるとした。 以上から、原告が主張する計算式をそのまま採用することはできないとしつつ、本件サイトの再生回数、アップロード動画の再生時間、ストリーミング料金の額、過去の契約例など諸事情を総合すれば、損害額は40万円と認めるのが相当であると判断した。 なお、被告は他サイトからの引用であり故意・過失はないと主張したが、他人の著作物を自らアップロードした以上、少なくとも過失があることは明らかであるとして、この主張を排斥した。 本判決は、インターネット上の動画投稿サイトにおける著作権侵害について、著作権法114条3項の使用料相当額を認定する際に、サイト上の「再生数」をそのまま有料視聴回数として扱うことの問題点や、アップロード動画の再生時間と原著作物との実質的差異を考慮すべきことを示した裁判例として実務的意義を有する。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。