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下級裁

損害賠償等請求控訴事件

判決データ

事件番号
平成31ネ535
事件名
損害賠償等請求控訴事件
裁判所
大阪高等裁判所
裁判年月日
2020年2月4日
裁判官
江口とし子大藪和男角田ゆみ
原審裁判所
大阪地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 第二次世界大戦中に中国から日本へ強制連行され、各地の事業場で強制労働に従事させられたと主張する中国国民及びその相続人ら(原告)が、国(被告)に対し、①ヘーグ陸戦条約3条、②不法行為(中華民国民法、日本国民法)、③国家賠償法1条1項に基づき、精神的損害に係る慰謝料及び弁護士費用の支払、並びに謝罪文の交付及び日中両国の主要紙への謝罪広告の掲載を求めた事案の控訴審である。原審(大阪地裁)は請求を全部棄却し、原告らが控訴した。 【争点】 主要な争点は、①日中共同声明5項による請求権放棄の射程(個人の損害賠償請求権が含まれるか、ウィーン条約法条約や国際人権法・国際人道法に照らした解釈のあり方、強制労働禁止のユース・コーゲンス性との関係、司法アクセス権・憲法32条との関係)、②中華民国民法に基づく不法行為責任と国家無答責法理の適用範囲、③国家賠償法6条の相互保証要件の合憲性、④民法724条後段の除斥期間の適用制限及び不作為の継続性、⑤強制連行という先行行為に基づく戦後の保護義務・救護義務の有無、⑥資料焼却等の隠蔽行為や国会答弁(外務省アジア局長答弁、岸信介首相答弁)による名誉毀損及び名誉回復義務違反の成否である。 【判旨】 控訴棄却。大阪高裁は、中華人民共和国がサン・フランシスコ平和条約の当事国でないとしても、日中共同声明は同条約と同様の趣旨・目的(戦争状態の終了と平和友好関係の確立)を有し、その解釈に当たり同条約の枠組みを考慮することが相当であるとし、交渉経過(中国側草案の「請求権」が「請求」に変更された等の表現上の差異は、内容の変更を伴うものではない)に照らせば、日中共同声明5項には個人の損害賠償請求権の放棄が含まれると解すべきとした。強制労働禁止がユース・コーゲンスであることを前提としても、平和条約による請求権処理の対象から外すことは条約目的の達成を妨げ、B規約上の司法アクセス権の制限としても目的の正当性と手段の比例性があり合理性を欠かないとした。また、強制連行という先行行為から、戦後に侵害回復を内容とする金銭支払義務が別個独立に生じるとは解されず、名誉毀損についても国会答弁から直ちに原告らの社会的評価を低下させたとは認められないとして、原告らの主張をいずれも排斥した。本判決は、戦後補償訴訟における請求権放棄の抗弁を枠組み論に基づき広く適用した判示として位置付けられる。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。