都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3122 件の口コミ
知財

特許権侵害差止請求事件

判決データ

事件番号
平成30ワ13927
事件名
特許権侵害差止請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2020年2月5日

AI概要

【事案の概要】 本件は、株式会社MRSホールディングズ(原告)が、「ホワイトカード使用限度額引上げシステム」に係る特許権(特許第5775663号)を有しているところ、LINE Pay株式会社(被告)が提供するモバイル送金・決済サービス「LINE Pay」の運営に用いるコンピュータシステム(本件各システム=送金システム、入金システム、振替入金システム)が、本件特許権を侵害していると主張して、特許法100条1項に基づき、被告に対し、当該コンピュータシステムの使用の差止めを求めた特許権侵害差止請求事件である。原告は、本件入金システム及び本件振替入金システムについては主位的に文言侵害、予備的に均等侵害を、本件送金システムについては均等侵害を主張した。 【争点】 主要な争点は、本件各システムが本件発明の技術的範囲に属するか(争点1)であり、特に「使用限度額」「ホワイトカード」(構成要件A等)の充足性、受金ID・消費使用IDの構成充足性、均等侵害の成否、被告による実施行為の有無、及び進歩性・新規性・サポート要件等に関する無効理由8点の成否が争われた。中核は、クレジットカードを念頭に置いた本件発明の構成要件が、電子マネーを用いたプリペイドカードたるLINE Payカード及びそのアカウント残高方式のシステムに及ぶかであった。 【判旨】 東京地裁民事第40部は、本件明細書等の段落【0002】【0003】【0005】【0026】等の記載及び「ホワイトカード」の一般的意義に照らし、本件発明の「ホワイトカード」はクレジットカードを意味し、「使用限度額」とは契約時に設定されてある程度固定される所定期間内で使用可能な金額を意味すると解釈。これに対し、LINE Payカードは電子マネーのプリペイドカードであり、決済に使用できる金額はアカウント残高と常に一致し、契約時に設定・固定される所定期間内の使用可能額とはいえないから、本件各システムは構成要件Aの「ホワイトカード」及び「使用限度額」の構成を具備しないと認定した。プリペイドカードは受金金額がチャージされれば直ちに使用可能となり、本件発明の前提課題(契約時固定された限度額の引上手続の煩雑さ)に直面しないとして、原告の包括的解釈の主張も排斥した。以上により、本件各システムが本件発明の技術的範囲に属するとは認められないとして、その余の均等侵害・無効理由等の争点を判断するまでもなく、原告の請求を棄却した。本判決は、特許発明の技術的範囲の解釈において明細書の背景技術・課題記載が発明の対象カードを限定的に画定する機能を果たすことを示すとともに、キャッシュレス決済手段の多様化の中でプリペイド型電子マネーをクレジットカード前提の特許権から画する重要な事例である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。