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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
平成31行ケ10025
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2020年2月19日
裁判官
大鷹一郎國分隆文筈井卓矢

AI概要

【事案の概要】 原告は、水に水素を溶解させて水素水を生成する「気体溶解装置及び気体溶解方法」に関する特許(特許第6116658号、請求項1~4)の特許権者である。被告ハイジェンテックソリューション光未来(株)は平成29年に本件特許について無効審判を請求し、原告は平成30年、細管の内径を「1.0mmより大きく3.0mm以下」、長さを「0.8m以下のものを除く」とする訂正請求を行った。特許庁は平成31年1月、訂正を認めた上で、無効理由1~4(分割要件違反、進歩性欠如、サポート要件違反)はいずれも理由がないとしつつ、無効理由5(「細管の長さ」の発明特定事項に係るサポート要件違反)を認め、本件特許を無効とする審決をした。原告が本件審決の取消しを求めたのが本件である。 【争点】 本件特許発明1ないし4がサポート要件(特許法36条6項1号)に適合するか、特に細管の長さが0.8mより大きく1.4mより小さい数値範囲について、本件明細書の記載及び技術常識から当業者が「気体を過飽和の状態で液体に溶解させ、かかる過飽和の状態を安定に維持」するという発明の課題を解決できると認識できるかが争われた。被告は、明細書には長さ1.4m~4mの実施例と長さ0.4m・0.8mの比較例しかなく、中間の数値範囲については課題解決の開示がないと主張した。 【判旨】 知財高裁は、本件明細書の実施例1~13及び比較例1・2の詳細な比較分析を通じ、本件特許発明は細管内に層流を形成させることに特徴がある装置であって、必ずしも厳密な数値制御に特徴があるものではないと認定した。そして、細管の内径X及び水素水の流量が同じ場合、水素濃度を高めるには加圧型気体溶解手段の圧力Yの値の増加割合を細管の長さLの増加割合より大きく選択すればよいことを明細書から理解できるとし、細管の長さが0.8mより大きく1.4mより小さい数値範囲においても、X、Y、Lの値を適切に選択することで層流を形成し過飽和状態を安定に維持できると当業者は認識できると判断した。よって本件特許発明1~4はサポート要件に適合するとして、これを否定した審決を取り消し、上告付加期間を30日と定めた。本判決は、数値限定発明のサポート要件判断において、実施例に直接記載のない中間数値範囲についても、明細書全体の技術的思想と技術常識から課題解決認識が可能と評価しうることを示した事例として実務上参考になる。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。