都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3083 件の口コミ
知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
平成30行ケ10165
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2020年2月19日
裁判官
大鷹一郎古河謙一岡山忠広

AI概要

【事案の概要】 本件は,血液浄化用薬液に関する特許第5636075号(発明の名称「安定な炭酸水素イオン含有薬液」)について,原告ニプロ株式会社が特許無効審判(無効2017-800015号)を請求したところ,特許庁が訂正を認めた上で,請求項3ないし5,8ないし10及び12ないし14について審判請求不成立とした審決をしたことから,原告が同審決の上記請求項に係る部分の取消しを求めた審決取消訴訟である。被告は千葉大学及び扶桑薬品工業であり,本件特許は,炭酸水素イオン・カルシウムイオン・マグネシウムイオンを含む透析用薬液にオルトリン酸イオンを配合することで27時間以上不溶性微粒子や沈殿の形成を抑制するという急性血液浄化用薬液に係るものである。 【争点】 主たる争点は,本件訂正発明3ないし5,8ないし10及び12ないし14が,優先日前に頒布された国際公開第2006/041409号公報(甲3)の実施例4に記載された発明(引用発明2-2-1’及び2-2-2’)に基づき当業者が容易に発明をすることができたか否かであり,特に,(ア)甲3の塩基性部分と酸性部分の混合比率の変更による炭酸水素イオン濃度等の相違点の容易想到性,(イ)訂正発明が奏する効果の顕著性が問題となった。 【判旨】 知財高裁第4部(大鷹一郎裁判長)は,甲3には血液透析用の用時混合型薬液として安定性を確保するための構成が開示され,当業者は実施例4の即時使用溶液について混合比率や濃度を調整し得ると指摘した上,炭酸水素イオン濃度を35mEq/L以下とする構成(相違点甲3-3-b”)及びオルトリン酸イオン濃度を2.3〜4.5mg/dLとする構成(相違点甲3-3-d”)はいずれも容易想到であると判断した。また,本件明細書に裏付けられた効果は引用発明の構成を採用すれば自ずと備わるものであり,当業者の予測を超えた顕著な効果とはいえないとした。したがって本件訂正発明12ないし14は甲3記載の引用発明2-2-1’に基づき,同3ないし5及び8ないし10は引用発明2-2-2’に基づき,いずれも当業者が容易に発明し得たものと認められるから,進歩性を肯定した特許庁の判断は誤りであるとして,原告主張の取消事由2-1-1ないし2-1-3はいずれも理由があるとし,その余の取消事由について判断することなく,本件審決のうち請求項3ないし5,8ないし10及び12ないし14に係る部分を取り消した。特許庁による進歩性判断の際に相違点の容易想到性と効果の顕著性を厳密に検証すべきことを示した一例である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。