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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
平成31行ケ10038
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2020年2月19日
裁判官
森義之眞鍋美穂子佐野信

AI概要

【事案の概要】 本件は、動画上にコメントを重ならないように表示する表示装置・プログラムに関する特許(特許第4695583号、請求項1~3、9~11)について、原告(エフシーツー・インク)が進歩性欠如を理由に無効審判請求をしたところ、特許庁が「請求は成り立たない」との審決をしたことから、原告が被告(株式会社ドワンゴ)を相手取ってその取消しを求めた審決取消訴訟である。本件特許は、複数の端末から送信されたコメントを動画再生時間に対応づけて配信し、先行コメントと重なる場合には重ならない位置に表示させる判定部・表示位置制御部を備える点に特徴があり、ニコニコ動画型の流れるコメント表示技術を念頭に置いたものである。原告は、ライブ配信に関する甲1発明に、テレビ文字放送の文字重なり回避技術(甲2~4)、SMILやFLASHに関する周知技術(甲5~6、15~16)、Final Cut Proのタイトル表示技術(甲7、17、20~22)、ActionScriptのhitTestによる重なり判定技術(甲19)等を組み合わせれば当業者が容易に想到し得たと主張し、五つの無効理由を並べて争った。 【争点】 争点は、(1)甲1発明に「発言(コメント)が重なることにより視認性が低下する」という課題が内在するか否か、(2)甲1発明と引用各技術との間に技術分野及び解決課題の共通性があり、動機付けを認め得るか、(3)仮に組合せが可能でも、甲2等技術は映像信号中の文字や単一のオブジェクトを対象とするものであって、複数端末から投稿された「コメント」相互の重なりを判定・回避する構成(相違点1-1・1-2等)に至るか、以上の観点から本件特許発明1ないし3、9ないし11の進歩性を否定できるかである。 【判旨】 知財高裁第2部は、甲1発明は各閲覧者が指定したレイアウト領域にチャット文を表示する前提であって、発言同士が重なることで視認性が低下するという課題を内在しないと認定した。そのうえで、甲2~4は映像信号に重畳された文字放送データと映像信号中の文字との重なりを回避する技術にとどまり、甲19は単一のポップアップウィンドウの位置制御、甲25はムービークリップ同士の接触判定に関するものであって、複数端末から投稿される文字情報相互の重なりを扱うものではないと判断し、技術分野も解決課題も共通せず、甲1発明にこれら周知・公知技術を適用する動機付けを欠くとした。さらに、仮に組合せを認めても、引用技術から得られるのは動画中の文字と外部文字列との重なり回避にすぎず、相違点1-1(判定部)及び相違点1-2(表示位置制御部)に係る「第1のコメントと第2のコメントとの重なり判定・回避」構成には至らないとして、無効理由1ないし5のいずれについても審決の判断に誤りはないと結論づけた。結論として、原告の請求を棄却し、訴訟費用を原告負担、上告期間の付加期間を30日と定めた。本判決は、動画投稿サービスで多用される流れるコメント表示技術について、ライブ配信や映像編集分野の技術を組み合わせただけでは進歩性を否定し得ないとした事例として、プラットフォーム事業者間の特許紛争に実務上の示唆を与えるものである。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。