AI概要
【事案の概要】 学校法人P学園(森友学園)の理事長X及びその妻で元理事長Yが、①国土交通省所管のサステナブル建築物等先導事業補助金(サステナブル補助金)について、小学校建設に関する実際の設計報酬額・工事代金額を水増しした虚偽の契約書写し等を提出して約5644万円を詐取した事件(サステナブル補助金事件)、②大阪府の経常費補助金について、専任教員の勤務実態を偽って差額約2198万円を詐取した事件(経常費補助金事件)、③大阪府・大阪市の私立幼稚園特別支援教育費補助金等について、特別支援教育の実施や保護者同意の有無を偽って合計約9937万円を詐取し、又は詐取しようとした事件(特別支援教育費事件)で詐欺・詐欺未遂に問われた事案。Yは経常費補助金事件・特別支援教育費事件について詐欺の故意と共謀を争った。 【争点】 争点は、(1)補助金適正化法29条1項(補助金等不正受交付罪)と刑法246条1項(詐欺罪)の適用関係、(2)サステナブル補助金事件における被告人両名の詐欺の故意及び設計業者との共謀の成否、(3)経常費補助金事件・特別支援教育費事件における被告人Yの故意及びXとの共謀の成否、(4)違法な司法取引・起訴裁量逸脱等を理由とする公訴棄却の当否である。 【判旨(量刑)】 裁判所は、補助金適正化法29条1項は詐欺罪の特別規定ではなく両罪は構成要件・保護法益のいずれにおいても包摂関係になく、詐欺罪として訴追できると判断。サステナブル補助金事件については両名に詐欺の故意と共謀を認定した。一方、経常費補助金事件・特別支援教育費事件については、申請手続のほとんどをXが単独で行っており、Yは経理処理に関与するにとどまるとして、Yの故意とXとの共謀を否定し無罪とした。量刑面では、虚偽契約書作成等の手口は巧妙かつ大胆で詐取額も高額であり、被告人両名は補助金受給の強い意向を示し共犯者に行動を強いた中心的立場にあったが、Yの刑事責任はXより一段低いと評価。補助金全額返還等の有利事情を考慮しても、Xに対しては実刑を免れないとして懲役5年(求刑懲役7年)、Yに対しては懲役3年・5年間執行猶予(求刑懲役7年)を言い渡し、Yにつき経常費補助金事件・特別支援教育費事件の各公訴事実は無罪とした。