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下級裁

障害者投票権確認等請求事件

判決データ

事件番号
平成29行ウ51
事件名
障害者投票権確認等請求事件
裁判所
大阪地方裁判所
裁判年月日
2020年2月27日

AI概要

【事案の概要】 本件は、脳性麻痺による両上肢機能の著しい障害(身体障害者障害程度等級1級)を有し、投票用紙に候補者氏名を自書できない原告が、平成25年改正後の公職選挙法48条2項の違憲性等を争った事件である。 同条項は、代理投票において投票管理者が補助者2名を「投票所の事務に従事する者」のうちから定めることとしているが、改正前はこのような限定がなく、投票管理者が投票立会人の意見を聴いて補助者を選任できる建付けであった。平成25年東京地裁判決が成年被後見人の選挙権剥奪を違憲と判断したことを受け、同年に成年被後見人の選挙権が回復されると同時に、代理投票の不正防止の観点から補助者が投票事務従事者に限定された経緯がある。 原告は、平成28年7月実施の第24回参議院議員通常選挙(本件選挙)の際、豊中市内の投票所で、同行したヘルパーまたは訴訟代理人弁護士を補助者として代理投票することを申請したが、投票管理者はこれを認めなかった。そこで原告は、(1)次回各種選挙において自ら希望する者を補助者として選任を受けたうえで投票できる地位にあることの確認、(2)改正後公選法48条2項への立法行為および本件選挙までに同項を改正しなかった立法不作為が国家賠償法上違法であるとして、慰謝料110万円の支払いを求めた。 【争点】 (1)原告が憲法15条4項等に基づき、自ら希望する者を代理投票の補助者として選任を受けて投票できる地位にあるか、すなわち改正後公選法48条2項が憲法15条1項、4項、43条、44条および14条1項に違反するか (2)本件立法行為および立法不作為に係る国家賠償法上の違法の有無 【判旨】 請求をいずれも棄却。 裁判所は、憲法15条4項が秘密投票の制度的保障にとどまらず、選挙人がいずれの候補者等に投票したかを第三者から知られないという主観的権利(秘密投票権)をも保障していると認めた上で、代理投票の補助者を投票事務従事者に限定する改正後公選法48条2項が秘密投票権を制約するものであることを認めた。 しかしその制約が憲法上許容されるためには、(1)第三者への投票意思表示によらなければ選挙権行使の機会保障が実質的に困難であること、(2)当該立法措置が必要かつ合理的であること、を要するとの枠組みを示し、本件では自書できない選挙人について代理投票の必要性があり、また成年被後見人の選挙権回復により判断能力が十分でない選挙人の代理投票増加が想定される中、投票管理者が短時間で補助者候補の中立性・守秘可能性を正確に判断することは困難であるのに対し、投票事務従事者は公務員として政治的中立性と守秘義務を負うため、補助者を投票事務従事者に限定することには合理性があると判断した。 憲法14条1項違反の主張についても、自書投票者や代理記載制度利用者との取扱いの差異は、選挙人の能力・事情に応じた措置として立法裁量の範囲内であり、合理的関連性が認められるとして退けた。 国家賠償請求については、改正後公選法48条2項が憲法に反するものではなく、本件立法行為が憲法上保障された権利を違法に侵害することが明白とはいえないとした。障害者権利条約29条(a)(ⅲ)についても、「必要な場合」という抽象的要件の下で投票の際の援助を認めることを締約国が約束する規定にとどまり、個人に直接権利を付与する自動執行力ある条項とは解されないとして、立法不作為の違法性も否定した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。