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下級裁

災害共済給付金支払請求事件

判決データ

事件番号
平成30ワ290
事件名
災害共済給付金支払請求事件
裁判所
名古屋地方裁判所
裁判年月日
2020年2月27日
裁判官
唐木浩之片山健髙橋祐二

AI概要

【事案の概要】 本件は、中学校の海外研修旅行中に死亡事故に遭った生徒の父母が、独立行政法人日本スポーツ振興センターに対し、災害共済給付契約に基づく死亡見舞金2800万円の支払を求めた事案である。災害共済給付制度は、学校の管理下で生じた児童生徒の負傷・疾病・死亡等について、学校の設置者と保護者が掛金を分担して互助共済を図る制度であり、昭和35年に創設され、平成28年当時は全国の児童生徒の約96%が加入していた。 亡Cが在学していたD中学校は、中学3年生全員を対象とする11日間のアメリカ研修旅行を実施し、ユタ州での7日間のホームステイを組み込んでいた。平成28年10月29日、亡Cはホストファーザーとハイキングに出かけ、自宅から約25キロ離れた滝付近で、徒歩で滝を降りる途中に崖から滑落して死亡した。原告らが死亡見舞金を請求したのに対し、被告は、高校生の海外研修は「学校の管理下」と認めているが中学生の海外研修は対象外であるとの通知に沿って不支給決定をしたため、原告らが訴訟を提起した。 【争点】 争点は、(1)被告が平成15年に発出した通知により中学生の海外研修等における事故が契約上一律に給付対象から除外されているか、(2)本件事故が「学校の管理下」で生じた災害といえるか、(3)原告らが受領した各種保険金(合計約8700万円)が損害賠償として給付金と調整されるか、(4)遅延損害金の起算点、の4点である。 【判旨】 名古屋地裁は原告らの請求を棄却した。まず争点(1)について、災害共済給付契約の内容は関係法令に準拠することが予定されており、施行令が学校の管理下の範囲を限定列挙している以上、当事者間の合意や被告内部の通知によって給付対象を除外することは想定されていないとして、中学生の海外研修等を一律に対象外とする被告の通知は関係法令の趣旨に合致せず採用できないと判断した。業務方法書の委任規定も実体的な支給要件の根拠にはならないとした。 次に争点(2)について、「学校の管理下」と認められるには、教員による直接の監督指導がされているか、少なくとも教員の協力の下で安全管理体制が整備されているなど、直接の監督指導がある場合と同視し得る状況が必要であると解した上で、本件では、D中学校の引率教員が当日の亡Cの行動予定を把握しておらず、現場の実地調査もされておらず、滝周辺の急峻な崖地でのハイキングはホストファミリーに交付されたマニュアルで禁止された過激なスポーツに該当する可能性が高いと指摘し、引率教員の協力の下で安全管理体制が整備されていたとは認められないとして、本件事故は「学校の管理下」で生じた事故に当たらないと結論付け、その余の争点を判断するまでもなく請求を棄却した。中学生の海外研修一律除外という被告の運用を否定しつつも、個別事案としての給付は認めなかった判断である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。