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行政

法人税更正処分等取消請求事件

判決データ

事件番号
平成27行ウ535
事件名
法人税更正処分等取消請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2020年2月28日

AI概要

【事案の概要】 本件は、めっき薬品(めっき用化学品)の製造・販売を営む内国法人である原告が、台湾の子会社(Z1、Z3等の本件国外関連者)との間で行ったノウハウ・特許権等の使用許諾取引(本件ライセンス取引)と、当該めっき薬品の半製品等(BB品)の販売取引(本件棚卸資産販売取引)について、東税務署長から移転価格税制に基づく更正処分等を受けたことから、その取消しを求めた事案である。 移転価格税制(租税特別措置法66条の4)は、多国籍企業が海外子会社との取引価格を操作して所得を国外に移転することを防ぐ制度であり、国外関連者との取引対価が独立企業間価格(アームズ・レングス価格)に満たない場合、当該独立企業間価格で取引が行われたものとみなして課税する仕組みである。原告グループでは、台湾子会社が現地市場で約7割という高い占有率を獲得し、売上高営業利益率が化学業界平均(約5.3%)を大きく上回る26〜40%に達していた。これを問題視した課税庁は、原告が台湾子会社から受け取るロイヤルティ等の対価が過少であると判断し、残余利益分割法(及びこれと同等の方法)を用いて独立企業間価格を算定し、平成19年3月期から平成24年3月期までの法人税について更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分を行った。 【争点】 主たる争点は、(1)本件国外関連取引の独立企業間価格を算定する方法として、原則的方法である基本三法(独立価格比準法・再販売価格基準法・原価基準法)又はこれと同等の方法を用いることができるか、それとも残余利益分割法及びこれと同等の方法を用いることができるか(争点1)、(2)被告が用いた残余利益分割法等による算定が相当であるか(争点2)、の二点である。原告は、韓国の非関連者Z10との間のライセンス取引を比較対象とすれば独立価格比準法(又はこれに準ずる方法)と同等の方法で算定できると主張した。 【判旨】 東京地方裁判所は、原告の請求をいずれも棄却した。裁判所は、まず本件ライセンス取引について、めっき薬品のノウハウはそれぞれ原料配合比等により個別性が高く、Z10ライセンス取引とは使用許諾対象の種類・数・独占性・市場の状況等に顕著な差異があるから、資産の「同種性」や「同様の状況」の要件を満たさず、独立価格比準法と同等の方法(又はこれに準ずる方法)は用いることができないと判断した。また、BB品とノウハウは合わさって初めて完全な取引対象となる不可分な関係にあるため、本件ライセンス取引と本件棚卸資産販売取引は一体のものとして独立企業間価格を算定すべきであるとした。その上で、原告と本件国外関連者の双方が独自の重要な無形資産(原告の研究開発ノウハウ、国外関連者の台湾における顧客サポート・営業技術支援)を有し、両者が利益獲得に寄与していることから、残余利益を各自の無形資産の価値(ここでは研究開発費及び営業技術支援費用の額)に応じて配分する残余利益分割法及びこれと同等の方法を用いることが合理的であると結論づけた。被告が行った分割要因の算定過程や結論にも不合理な点は認められないとして、本件各更正処分等をすべて適法と判断した。本判決は、複数取引を一体として捉える単位設定の考え方や、残余利益分割法における分割要因として研究開発費等の支出費用を用いることの合理性を詳細に示した点で、移転価格税制の実務上重要な先例となるものである。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。