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下級裁

損害賠償請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和1ネ3995
事件名
損害賠償請求控訴事件
裁判所
東京高等裁判所
裁判年月日
2020年3月4日
裁判種別・結果
その他
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 一審原告ら(A、B、C、D)は、いわゆる特殊詐欺グループに属する者らによる「オレオレ詐欺」の被害者である。一審原告らは各自の子や孫に緊急に金銭を必要としている事態にある旨の虚偽を告げられ、上記グループが管理する預金口座に金銭を振り込む等の方法で詐取された。本件詐欺の実行犯であるFは、指定暴力団稲川会の傘下である習志野一家E組の構成員であった。一審原告らは、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(暴力団対策法)31条の2の規定に基づき、指定暴力団の威力を利用した資金獲得行為により損害を受けたとして、稲川会の会長である一審被告に対し、民法715条1項の使用者責任に基づく損害賠償請求権と選択的に、不法行為の日から各支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の各支払を求めた。原審(東京地裁)は暴力団対策法31条の2本文の規定による損害賠償請求権に基づき、一審原告Aにつき363万円、一審原告Bにつき363万円、一審原告Cにつき302万5000円、一審原告Dにつき484万円の各支払を命じたが、一審被告及び一審原告らが各自の敗訴部分を不服としてそれぞれ控訴した。 【争点】 (1) Fが指定暴力団の構成員であるか否か。一審被告は、FはE組の組長の義父であり代務を務めていたにすぎず、構成員ではないと主張した。 (2) 本件各詐欺が暴力団の威力を利用した資金獲得行為(威力利用資金獲得行為)に該当するか否か。一審被告は、Fの行為は威力利用資金獲得行為に当たらず、被害者に対して威力を行使する必要がないため該当しないと主張した。 (3) 一審被告の免責事由(暴力団対策法31条の2第1号)の存否。一審被告は、稲川会総本部から各会員に「総本部御通知」と題する書面を発出し、特殊詐欺等の事件に関わらないことを厳守するよう通達していたと主張した。 (4) 精神的損害の額。一審原告らは財産的損害の1割では不十分であり、特殊詐欺の巧妙な手口によるオレオレ詐欺の被害者の精神的苦痛は甚大であるとして、それぞれ200万円を下回らないと主張した。 【判旨】 控訴審(東京高裁第15民事部)は、一審原告Bの控訴を一部認容し、原判決を変更して一審被告に484万円の支払を命じた(原審の363万円から増額)。一審被告の控訴及び一審原告A、C、Dの各控訴はいずれも棄却した。 (1) Fの構成員該当性について、Fが義父でありE組の組長に代わり事務所の当番を務めるなど継続的に出入りしていたこと、警察当局がFをE組の構成員と把握していたこと等から、FがE組の構成員であると認定した。 (2) 威力利用資金獲得行為該当性について、暴力団対策法31条の2の「威力を利用」する行為には、資金の獲得のために威力を利用したものであれば足り、被害者に対して威力が示されることは必要ではないと解すべきであるとした。Fは暴力団に所属する自己の立場を利用してIを詐欺グループに紹介し、自己の指示に従わせて本件詐欺に係る犯行に加担させ、自己の生計等の資金を獲得したものであり、威力利用資金獲得行為に該当すると判断した。 (3) 免責事由について、指定暴力団における上納金制度とは直接の関係がない通達のみでは免責事由として不十分であるとし、一審被告の主張を排斥した。 (4) 精神的損害について、特殊詐欺の手口が巧妙であり被害者の親心や不安を巧みに利用するものであること、被害後も家族に相談できず経済的困窮に陥ること等を考慮しつつも、一審原告らの主張するほどの精神的損害は認められないとして、財産的損害の1割程度とする原審の認定額が相当であるとした。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。