AI概要
【事案の概要】 原告(一般社団法人日本ハオルシア協会)は、「粉雪」の文字を標準文字で表した商標について、指定商品を第31類「ハオルシア、ハオルシアの苗、ハオルシアの種子」として商標登録出願をしたところ、特許庁から拒絶査定を受け、拒絶査定不服審判でも請求不成立の審決がされたため、その取消しを求めた事案である。本件審決は、本願商標が種苗法に基づき品種登録を受けたばれいしょ種の品種名称「コナユキ」と類似の商標であり、その品種の種苗に類似する商品に使用するものであるから、商標法4条1項14号に該当し登録できないと判断した。 【争点】 本願商標の指定商品(ハオルシアの種子等)が、引用登録品種の種苗(ばれいしょ種の種芋)と商標法4条1項14号にいう「類似する商品」に当たるか。具体的には、(1)商品の類否判断は商品の出所の誤認混同のおそれを基準とすべきか、品質の誤認混同のおそれを基準とすべきか、(2)植物の属が異なる種苗は非類似と解すべきか、が争われた。 【判旨】 請求棄却。裁判所は、商標法4条1項14号の趣旨について、種苗法上の登録品種の名称使用義務等の規定との関係で、当該名称について特定の者に商標の専用権・禁止権が生じることを防止するとともに、商品の出所の誤認混同を防止する趣旨を含むと解した。そのうえで、商品の類否は、商品自体の誤認混同のおそれではなく、同一又は類似の商標を使用した場合に同一営業主の商品と誤認混同されるおそれがあるかにより判断すべきとした。本願商標の指定商品「ハオルシアの種子」と引用登録品種の「ばれいしょ種の種芋」は、用途において観賞用と食用の違いがあるものの、いずれも植物の種子類であり、園芸店やその通信販売サイト等で販売され、需要者が一般消費者である点で共通するため、類似の商品に当たると認定した。原告の「属が異なれば非類似とすべき」との主張については、商標法の目的は植物新品種の迅速な保護ではないとして退け、審決の判断に誤りはないとした。