法人税更正処分等取消請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 内国法人である原告(製薬会社)は、米国法人GSKとの間で医薬品用化合物の共同開発等を行うジョイントベンチャー(本件JV)を形成し、英国領ケイマン諸島に特例有限責任パートナーシップ(CILP)を設立してそのパートナーシップ持分を保有していた。原告は本件JVの枠組み変更に際し、平成24年10月31日、CILPのパートナーシップ持分(49.99%)を英国完全子会社SLに現物出資(本件現物出資)した。原告は本件現物出資が法人税法上の適格現物出資に該当し譲渡益の計上が繰り延べられるとして確定申告したが、東税務署長は本件現物出資が「国内にある事業所に属する資産」の外国法人への移転に当たり適格現物出資に該当しないとして更正処分等を行った。原告は本件各処分の取消しを求めて提訴した。 【争点】 (1) 本件現物出資が適格現物出資に該当するか(対象資産が施行令4条の3第9項の「国内にある事業所に属する資産」に該当するか) (2) 本件各処分が信義則に反するか (3) 過少申告加算税につき国税通則法65条4項の「正当な理由」があるか 【判旨】 裁判所は、原告の請求を大部分認容した。本件現物出資の対象資産であるCILPのパートナーシップ持分は、CILPの事業用財産の共有持分とLPとしての契約上の地位とが不可分に結合した資産であり、その価値の源泉は事業用財産の共有持分にあるとした。CILPの事業用財産(現金、知的財産のライセンス、治験データ等の無形資産、子会社への出資等)の経常的な管理は、いずれもGSK/ViiV側が米国フィラデルフィア等に有する事業所において行われており、現金は米国の預金口座で管理され、記帳・会計処理・税務申告も米国事業所で行われ、治験データもGSK/ViiV側のデータベースに保管され原告にはアクセス権すら付与されていなかった。したがって、本件CILP持分の主たる構成要素である事業用財産のうち主要なものの経常的な管理は国内にある事業所ではない事業所で行われていたから、「国内にある事業所に属する資産」には該当せず、本件現物出資は適格現物出資に該当すると判断した。なお、争点(1)で原告勝訴となったため、信義則及び過少申告加算税の正当な理由に関する争点については判断を省略した。