都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3129 件の口コミ
知財

特許取消決定取消請求事件

判決データ

事件番号
令和1行ケ10100
事件名
特許取消決定取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2020年3月19日
裁判官
鶴岡稔彦高橋彩石神有吾

AI概要

【事案の概要】 原告(日亜化学工業株式会社)は、「窒化物半導体積層体及びそれを用いた発光素子」に関する特許(特許第6252092号)の特許権者である。本件特許に対し、訴外Aから特許異議の申立てがなされ、特許庁は全請求項(1〜11)に係る特許を取り消す旨の決定をした。本件取消決定は、本件発明はいずれも引用文献1に記載された発明(引用発明)及び周知技術に基づき当業者が容易に発明できたものであり、特許法29条2項に違反するとした。本件発明の特徴は、深紫外発光する半導体発光素子において、サファイア基板上にバッファ層・超格子層を設け、その上にアルミニウム比が順次減少する2層の組成傾斜層(アンドープの第一の組成傾斜層及びn型不純物ドープの第二の組成傾斜層)を設けることで、クラック発生防止と順駆動電圧(Vf)上昇防止を両立させる点にある。 【争点】 本件取消決定が認定した引用発明と本件発明1との相違点1(第一の層が組成傾斜層であるか否か)及び相違点2(第二の層が組成傾斜層であるか否か)に係る構成の容易想到性が争点である。具体的には、(1)AlGaN層のAl比率を傾斜させた組成傾斜層を採用して駆動電圧を低下させること(本件技術)が周知技術といえるか、(2)引用発明に本件技術を組み合わせる動機付けがあるか、(3)格子不整合の緩和を目的として組成傾斜層を適用する動機付けがあるか、が争われた。 【判旨】 裁判所は、本件取消決定を取り消した。まず本件技術の周知性について、引用文献4〜6において組成傾斜層の技術はそれぞれの素子構造の一部として異なる技術的意義のもとに採用されており、各文献から半導体積層体構造や技術的意義を捨象して上位概念化し本件技術を導くことは後知恵に基づく議論であるとして、周知技術とは認められないと判断した。次に、ヘテロギャップの低減を目的とした組成傾斜層の採用が周知であるとしても、引用発明のアンドープ層とドーピング層は同一組成でヘテロギャップが存在せず、また超格子バッファとの間のヘテロギャップも駆動電圧にほとんど影響しないとして、動機付けを否定した。格子不整合についても、半導体積層体に格子定数差があれば組成傾斜層が当然に適用されるとはいえず、引用文献1に格子定数差を課題として認識する記載もないとして、動機付けを否定した。本件発明2〜11も本件発明1を直接又は間接に引用するものであり、同様に進歩性の判断誤りが妥当するとした。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。