著作権侵害差止等請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 インターネットを利用した各種サービスを提供する原告が、同様のサービスを提供する被告会社及びその代表取締役である被告甲に対し、被告商品(LINE@を利用した集客・マーケティング支援ツール「トクマガ」)の製作・販売が、原告が開発したツール「Linect」に係る著作権(複製権、送信可能化権、公衆送信権)を侵害するとして、著作権法112条に基づく差止め・廃棄、並びに被告会社に対し民法709条、被告甲に対し会社法429条1項に基づき、連帯して損害賠償金2376万円及び遅延損害金の支払を求めた事案である。原告商品はLINE@とAPIで連携し、顧客情報に基づくセグメント配信、SMS送信、シナリオ配信等のLINE@にない独自機能を備えていた。原告は、原告商品のパソコン画面に表示される親カテゴリーから小カテゴリーに至る4段階の階層的なカテゴリー名の選択及び配列に創作性があるとして、原告商品が編集著作物(著作権法12条1項)に該当すると主張した。 【争点】 (1) 原告商品の編集著作物該当性、(2) 被告商品の依拠性・類似性、(3) 被告会社の故意・過失の有無、(4) 被告甲の悪意・重過失による任務懈怠の有無、(5) 損害の有無及び額。 【判旨】 請求棄却。裁判所は、原告商品の各カテゴリー名は画面表示の一部として表示されるものに過ぎず、原告商品をカテゴリー名を「素材」として構成される編集物とはいえないと判断した。また、カテゴリー名の選択と配列が共通するとの主張は、結局、商品に採用された機能やその階層構造が共通すると主張しているのに等しく、どのような機能を採用するかやその階層構造自体は編集著作物として保護される対象ではないとした。さらに、仮にカテゴリー名を素材と見ても、LINE@のマーケティング支援ツールという性質上、各カテゴリーの名称は機能を一般化・抽象化しユーザーに理解容易とする必要があるため選択の幅は限定され、現に他社の同種ツール(LINESTEP、Liny、next)でも同一ないし類似のカテゴリー名が使用されていることから、名称の選択はありふれたものと認定した。配列についても、関連機能を取りまとめて上位階層を設定し機能の重要性や関連性に応じて下位階層に分類していく手法は通常のものであり、ありふれたものと判断し、編集著作物としての創作性を否定して請求を全て棄却した。