不正競争行為差止等請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 「ビジネスサポート協同組合」の名称で高速道路ETCカード割引制度の共同精算事業を営む原告が、平成28年8月に設立された「協同組合ビジネスサポート」を名乗る被告に対し、不正競争防止法2条1項1号に基づき、①「協同組合ビジネスサポート」及び「ビジネスサポート」の名称・表示の使用差止め、②被告の法人登記中の名称部分の抹消登記手続、③損害賠償金597万4000円及び遅延損害金の支払を求めた事案である。原告は平成6年に設立され、組合員約342名を擁し全国で事業を展開していたところ、被告が同種のETCカード事業等において類似名称を使用したことが不正競争に当たると主張した。 【争点】 ①「ビジネスサポート協同組合」又は「ビジネスサポート」が原告の商品等表示として需要者の間に広く認識されているか(周知性)、②被告の名称使用により原告の営業との混同が生じるか、③損害の発生及び損害額。 【判旨】 請求棄却。裁判所は、法人の名称が当該事業との関係で一般的名称といえる性質を有する場合、自他識別力を欠くか極めて弱いものであるから、名称の使用時期が相当程度に長くその浸透度も極めて大きいなどの事情がない限り、周知性を肯定することは極めて困難であるとの判断枠組みを示した。その上で、「ビジネスサポート」は「ビジネス」と「サポート」という普通名詞の単純な組合せであり、組合員のビジネスを支援するという業務内容を示す一般的名称にすぎず、実際に多数の法人が同表示を名称の一部に用いていることも踏まえ、自他識別力を欠くか極めて弱いと判断した。「ビジネスサポート協同組合」についても、自他識別力の弱い「ビジネスサポート」と法人形態を示す「協同組合」の組合せにすぎず、同様に自他識別力を欠くか極めて弱いとした。需要者への浸透度についても、原告の証拠は都内近郊の数社が原告を認識していることを示すにとどまり、全国各地の企業を需要者とする原告表示の周知性を基礎付けるには足りないとして、争点①の周知性を否定し、その余の争点を判断するまでもなく原告の請求をいずれも棄却した。