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下級裁

石木ダム建設工事並びに県道等付替道路工事続行差止請求事件

判決データ

事件番号
平成29ワ24
事件名
石木ダム建設工事並びに県道等付替道路工事続行差止請求事件
裁判所
長崎地方裁判所
裁判年月日
2020年3月24日
裁判種別・結果
棄却
裁判官
高橋静子

AI概要

【事案の概要】 長崎県及び佐世保市(被告ら)が進める石木ダム建設工事及びこれに伴う県道等付替道路工事(本件事業)について、ダム水没予定地(通称「こうばる」)の居住者、地権者、周辺町民、佐世保市民、長崎県民ら合計608名の原告が、本件事業により憲法上の権利又は人格権が違法に侵害されると主張し、工事の続行差止めを求めた事案である。本件事業は、二級河川川棚川水系に重力式コンクリートダム(堤高55.4m、総貯水容量548万立方メートル、事業費285億円)を建設し、洪水調整及び佐世保市への水道用水供給(最大4万立方メートル/日)を図るものであり、平成25年に土地収用法に基づく事業認定処分がなされていた。原告らの一部は別途事業認定処分取消訴訟を提起し、一審で請求棄却となっている。 【争点】 (1) 原告らの主張する各権利利益(生命・身体の安全、こうばるの自然環境を享受しながら生活を営む権利、人間の尊厳を維持して生きる権利、税金を有効かつ適切に利用される権利)が差止請求の根拠たり得るか、及び本件事業によりそれらが侵害され又は侵害されるおそれがあるか。 (2) 本件事業による原告らの権利に対する侵害行為が違法性を有するか(利水事業の必要性、治水事業の必要性、手続上の問題の有無)。 【判旨】 請求棄却。裁判所は、争点(1)について以下のとおり判断し、争点(2)の判断に進むことなく原告らの請求を退けた。まず、生命・身体の安全については、本件事業を進めることにより原告らが洪水被害に遭い生命・身体の安全が侵害されるおそれがあることを認めるに足りる証拠はなく、治水対策が取られないことによって生命・身体の安全が侵害されるとも認められないとした。次に、こうばるの豊かな自然とその恵みを享受しながら生活を営む権利については、自然や文化、コミュニティーの内容は地域ごとに異なり、享受する内容及びその価値についても享受する者の主観的評価による部分が大きく、保護すべき内容、場所的・空間的範囲、権利の主体等が具体的に定まっていないとして、差止めを求め得る私法上の権利としての明確な実体を有するものとは認められないと判断した。人間の尊厳を維持して生きる権利についても、概念が抽象的で内容や範囲が不明確であり、民事上の差止請求を基礎づける具体的な法的権利とはいえないとした。税金を有効かつ適切に利用される権利については、現行法上、住民訴訟を除いて個人が地方公共団体の財政上の行為を争う方法は認められていないとして退けた。以上から、原告らの主張する権利はいずれも差止請求の根拠となり得ないとして、その余の争点(事業の公共性・必要性等)について判断するまでもなく、請求を棄却した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。