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知財

特許権侵害差止等請求事件

判決データ

事件番号
平成29ワ24598
事件名
特許権侵害差止等請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2020年3月26日
裁判官
柴田義明安岡美香子古川善敬

AI概要

【事案の概要】 本件は、発明の名称を「セルロース粉末」とする特許(特許第5110757号)の特許権者である原告(医薬品・化学製品メーカー)が、被告(製紙会社)に対し、被告が製造・販売するセルロース粉末製品「NPミクロース」(被告製品1及び2)が原告の特許発明の技術的範囲に属すると主張して、特許法100条1項・2項に基づく製造等の差止め及び廃棄、並びに損害賠償金474万3679円の支払を求めた事案である。本件特許は、医薬品の錠剤用賦形剤として使用されるセルロース粉末について、平均重合度、粒子径、見掛け比容積等の複数のパラメータを特定の数値範囲に制御することにより、成形性・流動性・崩壊性をバランスよく併せ持つセルロース粉末を実現したものである。 【争点】 主な争点は、(1)被告製品1の平均重合度が構成要件の数値範囲(150〜450)を充足するか(測定方法の解釈を含む)、(2)被告製品2の見掛けタッピング比容積が構成要件の数値範囲(2.4〜4.5cm3/g)を充足するか、(3)被告の製造方法が噴霧乾燥工程を含むか、(4)本件特許が実施可能要件違反・サポート要件違反・明確性要件違反・新規性又は進歩性欠如により無効とされるべきかである。特に、平均重合度の測定方法として日本薬局方所定の方法(本件測定方法)とISO規格準拠の方法(被告測定方法)のいずれによるべきかが大きく争われた。 【判旨】 裁判所は、原告の請求をいずれも棄却した。まず、被告製品1について、本件明細書の実施例で本件測定方法(第十三改正日本薬局方の銅エチレンジアミン溶液粘度法)が用いられていることから、同方法による測定値が構成要件の数値範囲内であれば充足すると判断し、被告製品1は構成要件1B・2Bを充足するとした。一方、被告製品2については、被告自身がPT-Rを用いて5ロット各3回測定した結果いずれも見掛けタッピング比容積が2.4cm3/gに達しなかったことから、構成要件1F・2Fの充足を否定した。被告の製造方法については、概球形の二次粒子の存在は噴霧乾燥以外でも生じ得ること、被告が噴霧乾燥でないことを示す公正証書等を提出したことから、噴霧乾燥工程の充足を認めなかった。さらに、特許の有効性について、本件明細書の実施例にはセルロース粉末のレベルオフ重合度が記載されておらず、原料パルプのレベルオフ重合度と加工後のセルロース粉末のレベルオフ重合度が同一であるという技術常識も認められないとして、サポート要件(特許法36条6項1号)違反による無効を認定した。以上により、被告製品1は技術的範囲に属するものの特許が無効であるため権利行使できず、被告製品2及び被告方法はそもそも技術的範囲に属しないとして、原告の請求を全て棄却した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。