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下級裁

殺人被告事件

判決データ

事件番号
平成24た3
事件名
殺人被告事件
裁判所
大津地方裁判所
裁判年月日
2020年3月31日

AI概要

【事案の概要】 被告人は、滋賀県内の病院で看護助手として勤務していた者である。平成15年5月22日午前4時過ぎ頃、同病院に慢性呼吸不全等で入院中の患者A(当時72歳)に装着された人工呼吸器の呼吸回路からフレックスチューブを引き抜いて酸素供給を遮断し、Aを急性低酸素状態により殺害したとして起訴された。被告人は捜査段階でAの殺害を認める自白をして逮捕・起訴され、公判では否認に転じたものの、大津地方裁判所は平成17年に懲役12年の有罪判決を言い渡し、上告棄却により確定した。被告人は刑の執行を受け終えた後、第2次再審請求において大阪高等裁判所が再審開始を決定し、最高裁の特別抗告棄却を経て再審開始が確定した。本件は、その再審公判における判決である。 【争点】 争点は、(1)Aの死因(人工呼吸器の管の意図的な抜去による酸素供給遮断か、それとも自然死か)、(2)被告人の捜査段階における自白供述の任意性及び信用性の2点である。検察官は、Aが人工呼吸器からの酸素供給遮断による急性低酸素状態で死亡したと主張し、弁護人は、致死性不整脈を含む他の原因で死亡した合理的疑いがあると主張した。 【判旨】 裁判所は、まず争点(1)について、解剖を行ったC医師の鑑定等のうち死因に関する判断部分は信用できないと判断した。その理由として、(a)低カリウム血症に起因する致死性不整脈など他の死因の可能性を排斥する合理的理由が示されていないこと、(b)人工呼吸器の管が外れていたという真偽の疑わしい事実を前提としていること、(c)酸素供給遮断による死亡であればチアノーゼ(黒ないし赤黒い顔色)になるはずが、Aの顔色は蒼白であったことを挙げた。一方、複数の専門家の意見書に基づき、Aの血中カリウムイオン濃度が重度の低カリウム血症に該当する異常低値であったことなどから、致死性不整脈その他の原因で死亡した具体的可能性が認められるとした。 次に争点(2)について、被告人の自白は、殺害方法の枢要部分である人工呼吸器のアラーム消音状態維持機能をいつ知ったかという点で合理的理由なく変遷している上、死亡時のAの表情変化に関する供述が医学的知見と矛盾し、信用性に重大な疑義があるとした。さらに任意性については、被告人には軽度知的障害、発達障害及び愛着障害があり迎合的な供述傾向が顕著であったところ、取調担当のF警察官が被告人の自身に対する恋愛感情や迎合的態度を熟知しつつこれに乗じ、弁護人との信頼関係を損なう言動を繰り返し、被告人が知り得なかった消音状態維持機能の情報を教示して供述を誘導するなど、不当・不適切な捜査によって虚偽供述が誘発された疑いが強いとして、自白供述を全て証拠排除した。 以上を踏まえ、被告人の自白を除けばAの死亡に事件性すら認められず、犯罪の証明がないとして、被告人に無罪を言い渡した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。