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下級裁

危険運転致死傷(予備的訴因|過失運転致死傷)

判決データ

事件番号
令和1わ187
事件名
危険運転致死傷(予備的訴因|過失運転致死傷)
裁判所
津地方裁判所
裁判年月日
2020年6月16日

AI概要

【事案の概要】 被告人は、平成30年12月29日午後9時53分頃、三重県津市内の片側3車線の直線道路(法定速度60km/h)の第3車両通行帯を、時速約146kmという異常な高速度で走行中、左方路外施設(飲食店駐車場)から中央分離帯の開口部に向かって横断してきたタクシーの右側面に自車前部を衝突させた。この事故により、タクシーの運転手及び乗客3名の合計4名が死亡し、乗客1名が胸部大動脈損傷・骨盤骨折等の瀕死の重傷を負った。検察官は、主位的訴因として危険運転致死傷罪(自動車運転処罰法2条2号・進行制御困難高速度類型)を、予備的訴因として過失運転致死傷罪を起訴した。 【争点】 主たる争点は2点であった。争点①は、被告人車両の進路に他の車両が進出してくることで通過可能な進路の幅やルートが制限されるという「特別な状況」を、法2条2号の「進行を制御することが困難な高速度」の判断に際し前提事実として考慮できるか否かである。争点②は、被告人がそのような物理的制御困難性が生じる状況を、具体的可能性として現実に頭に思い浮かべていた(故意があった)と認定できるか否かである。 裁判所は、争点①について、道路上の他の走行車両等の存在も道路の物理的形状と同視でき、制御困難性の判断に際して考慮できると判断した。被害車両の進出開始時点で、被告人車両の左前方約36.1mにF車両が走行し、約132.6m先で被害車両が横断を開始しており、中央分離帯のため右側への車線変更も不可能であったことから、時速約146kmでこの限定された進路を通過することは極めて困難であり、物理的な制御困難性が生じていたと認定した。 しかし争点②について、裁判所は故意を認定するには合理的な疑いが残ると判断した。被告人は片側3車線の広い幹線道路を優先通行権を有して走行しており、夜間で周囲の車両もまばらであったことから、進路が狭められすり抜けが極めて困難になる状況を具体的に想起することが困難な道路状況であったとした。過去の交通事故歴も5年以上前の古いものであり、本件当時にそうした状況を思い浮かべていたとは断定できないとした。 【判旨(量刑)】 裁判所は、危険運転致死傷罪の成立を否定し、予備的訴因である過失運転致死傷罪を認定した上で、求刑どおり法定刑の上限である懲役7年を言い渡した。量刑理由として、4名死亡・1名瀕死の重傷という結果の重大性に加え、法定速度を86km/hも超過する高速走行という過失の態様は単純過失の範疇を大幅にはみ出す「殊更な無謀運転」であり、故意犯に準ずる実質を持つ非常に危険で悪質な行為であると指摘した。被害車両の運転手が被告人車両の常軌を逸した速度に気付くことが困難であったことから、事故は専ら被告人の異常な運転に起因するとし、被害者側の落ち度を量刑上考慮する余地はないとした。被告人の反省や前科がほぼないことなどの一般情状も、刑期を具体的に減じる事情とはならないと判断した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。